セシル・テイラーの初期のアルバムがちょっとだけ気になっている。エリントンとかモンクのピアノと同じ味わい、大胆で力強くグルーヴし、そして打鍵の瞬間に音が飛び散るような、が楽しめるから。
アヴァンギャルドな味はテイラーのピアノに溢れていて、それが「ジャズ圏内」から離脱しないようにビュエル・ネイドリンガーのベースが刻む、そんな構図。大枠ではジャズそのものなのだけど、現代音楽っぽい感じもあり離脱へのベクトルが強いテイラーの音が鋭く嬉しい。
このアルバムにはヴィブラホンも加わっていて、全体ではアヴァンギャルドなMJQのような装いで、面白い。ジョン・ルイスの仲介で、コールマンがコンテンポラリーに吹き込んだ、のを思い出した。関係ないか。このアルバムはナット・ヘンホフの仲介でニューヨークで吹き込まれたもの。
ビュエル・ネイドリンガーは宇宙遊泳の命綱のような存在で、ジャズの味を存分に出している。だから、その後のテイラーは「命綱」を切って、ベース抜きトリオの構成に移っていったびでは、とか思ったりした。どうなんだろう。もう少し60年代のテイラーを聴かなきゃ。それにビュエル・ネイドリンガーも。奇しくも2人とも同じ時期にこの世を去った、のだけど。
買ったのは1970年代米盤の安レコードではあるが、まあ音は満足。十分、雰囲気はある。まだレスター・ケーニッヒが経営している頃だしね。
- アーティスト: セシル・テイラー,アール・グリフィス,ブエル・ネイドリンガー,デニス・チャールズ
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2013/02/13
- メディア: CD
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Cecil Taylor: Looking Ahead! (1959, Contemporary Records)
A1. Luyah! The Glorious Step 6:25
A2. African Violets 5:12
A3. Of What 8:18
B1. Wallering 5:17
B2. Toll 7:33
B3. Excursion On A Wobbly Rail 9:04
Cecil Taylor(p), Earl Griffith(vib), Buell Neidlinger(b), Dennis Charles(ds)
Engineer [Recording]: Lewis Merritt, Tommy Nola
Supervised by Nat Hentoff
Recorded in New York City at Nola's Penthouse Studios, June 9, 1958.
購入レコードは1970年代のプレス