K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Gato Barbieri: The Third World (1969) 暑気払い2

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暑気払いに熱いサックス吹き、と思ったら、もう一人思い出した。

 聴き直すと確かに暑い、いや熱い。この人の演奏を聴くと、いつも演歌のコブシを思い出したが、やはりそうだと思う。そこが熱を放っている。カークもそうだけど、彼らの熱がフリージャズだとか、土着的な音楽だとか、様々な音の要素を呑み込んで融解させている印象。不自然な継ぎ目、のようなものがない。

フライングダッチマンの一連の作品のなかで、早い時期の本作はフリーの要素を最も感じるのだけど、バルビエリの熱い南米演歌を聴いていると背景音にすぎないような気もする。B面の開放感はいいなあ。

とはいえヘイデンのベースの存在感は強く、後年の演奏よりも好きだな。だから、そっちに意識を持っていっても楽しい。ああJazz Composers' OrchestraやLiberation Music Orchestraの時期だよね、彼らの創造性が爆発していた時期だね。家に帰って、大音量で彼らのオーケストラが聴きたくなった。

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Gato Barbieri: The Third World (1969, Flying Dutchman)
A1. Introduction-Cancion Del Llamero And Tango 11:04
A2. Zelao 8:02
B1. Antonios Das Mortes 9:25
B2. Bachanianas Brasileiras 11:02
Gato Barbieri(ts, fl, vo), Roswell Rudd(tb), Lonnie L. Smith, Jr.(p), Charlie Haden(b), Beaver Harris(ds), Richard Landrum(perc)
Producer: Bob Thiele
Recorded November 24th and 25th, 1969

保有盤は日本盤。