K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Carlos Aguirre: Calma (2018)散漫とも感じさせる緩いピアノからはじまるが

CARLOS AGUIRRE / ã«ã«ã­ã¹ã»ã¢ã®ã¼ã¬ / CALMA / ã«ã«ã

久々にアギューレと向き合った。今日届いた、アギューレの新譜。8年くらい前に聴きはじめたときは、パット。メセニーに通じるような爽やかな風のような音であり、微熱を孕んだフォルクローレの肌触り、のようなものに痺れてしまった。シルヴィア・イリオンド、アカ・セカ・トリオ、セバスチャン・マッキなどなど聴きすすめると、彼ら共通の音世界の素晴らしさ、に驚くとともに、その振幅の小さな感じに飽きを感じた。

だから久しぶり に向き合った訳だ。今回は彼のグループCarlos Aguirre Grupoでなくトリオ。ジャズのピアノ・トリオに近い。その意味で、ある種のマンネリ感は感じさせない。それは初めての取り組みではなく、Caminos以来。フォルクローレは後退し、ジャズ奏者的な顔を出す。

 今回のアルバムは、散漫とも感じさせる緩いピアノからはじまる。美音ではあるが、なんか捕らえどころがなく、「現代ジャズ」の凡作、とも思わせる。しかし時間の経過とともに、彼が孕むエネルギーが少しずつ顔を出す。アギューレそのものの音世界へと進んでいく。圧巻は最終曲でゲスト3人を加えた重厚な音の渦に巻き込まれる。そこで気がつくとCarlos Aguirre Grupoの世界に巻き取られているのだ。面白かった。

Calma

Calma

 

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Carlos Aguirre: Calma (2018, Shagrada Medra)
1. De tu lado del mar
2. Las aores de Rosalia
3. Hiroshi
4. Kalimba
5. Dentro mio
6. Palabras para nombrarte
7. Voces de otra vida y otro lugar
Carios Aguirre(p), Fernando Siiva(b, cello), Luciano Cuvielio (ds, cascabeles)
Claudio Bolzani( vo on 7), Marceio Petteta(vo on 7), Mono Fontana(key, ambient on 7)