K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Gato Barbieri: Bolivia (1973)  透明度ゼロの音の濁りが

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暮れから新年は、ECM new seriesばかり聴いたから、反動の一枚。

近所のバーで呑みながらブルースを聴いていると、これはアメリカの演歌なんだよな、って酔いながら思うのだけど、演歌っぽいジャズというと、まずはバルビエリのテナーを思い出す。彼のフリーの時代は聴いていないのだけど、Flying Dutchmanでのバルビエリのテナーは演歌。分かりやすい旋律に、コブシを効かせている。透明度ゼロの音の濁り、が嬉しい。

そんなテナーの音が、ロニー・リストン・スミススタンリー・クラーク、エムトゥーメらによる色彩感たっぷりのビートのうえで咆哮するのだから堪らなく美味しい。

それが総体としては、演歌ならぬ南米の音として聴こえてくるから面白い。1970年頃にケーナとかで演奏した南米音楽、コンドルは飛んでいくとか、が流行ったなあ、とか正月の酔いのなかでぼんやり思い出したりしている。

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Gato Barbieri: Bolivia (1973, Flying Dutchman)
A1. Merceditas 9:07
A2. Eclypse/Michellina 6:24
B1. Bolivia 7:46
B2. Ninos 7:15
B3. Vidala Triste 5:33
Gato Barbieri(ts, fl, vo), Lonnie Liston Smith(p), J.-F. Jenny-Clark, Stanley Clarke(b), Pretty Purdie(ds)
John Abercrombie(g), Airto Moreira, Gene Golden, James M'tume, Moulay "Ali" Hafid(perc)
Producer: Bob Thiele
Recorded live in New York City in 1973.

手持ちは米プロモ盤。