K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

(ECM2692) Vijay Iyer, Linda May Han Oh, Tyshawn Sorey: Uneasy (2019) アイヤーとソーリーの対峙

Uneasy

(ECM2692) Vijay Iyer, Linda May Han Oh, Tyshawn Sorey: Uneasy (2019)
1. Children Of Flint(Vijay Iyer) 6:26
2. Combat Breathing(Vijay Iyer) 7:50
3. Night And Day(Cole Porter) 9:33
4. Touba(Mike Ladd) 7:17
5. Drummer's Song(Geri Allen) 6:47
6. Augury(Vijay Iyer) 3:29
7. Configurations(Vijay Iyer) 9:27
8. Uneasy(Vijay Iyer) 9:11
9. Retrofit(Vijay Iyer) 6:40
10. Entrustment(Vijay Iyer) 5:06
Vijay Iyer(p), Linda May Han Oh(b), Tyshawn Sorey(ds)
Design: Sascha Kleis
Engineer: Ryan Streber
Mastering: Christoph Stickel
Producer: Manfred Eicher, Vijay Iyer
Recorded December 2019
Released: 09 Apr 2021

https://www.ecmrecords.com/shop/1603290520/uneasy-vijay-iyer-linda-may-han-oh-tyshawn-sorey
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ヴィジェイ・アイヤーを聴いて巧いな、と思ったことはあっても、なんかそこで印象が終わっている感覚がある。なぜだろう。テイバーンには、はっきりと惹かれるトコロがあるのだけど。メルドーもやはりそうで、ピアノ・トリオは巧いな、と思うだけ。なんか引っかかり、が少ない。

このアルバム、そこが少し破れたかな。ドラムと競り合って音が弾ける様子がときどきあって、なかなか聴かせる。このアルバム、アイヤーとタイショーン・ソーリーの対峙が聴かせるのだ。

タイショーン・ソーリーは自身のアルバムでは次第に現代音楽家のような様相になっているが、ここでは全身を使った高い密度の打音が整然と詰め込まれている。抑制気味の録音もあって、ECMらしい冷ややかな音に感じられるのだけど、ソーリーの打音が爆発的に解放される手前のような秘めたる熱量も同時に感じさせる。そこに直接は聴こえぬ可能性の音、のようなものに惹き込まれる。

ジュリ・アレンのDrummer's Songで、その構図が最大化し、変化自在の打音に魅入られる。もっと録音レベルが高くていいのに。軽いミニマル的な曲調もあり快感指数は高い。

ベースのオーは対峙する二人の間で刻み続ける。

現代ジャズのピアノ・トリオといえばそうなんだけど、音の鎧の向こうに見え隠れする破壊力を解放してほしいな、とも思う。凄くないか。デジョネットのspecial editionのピアノ・トリオ盤のような音、を夢想した。

UnEasy

UnEasy

  • アーティスト:Vijay Iyer
  • 発売日: 2021/04/09
  • メディア: CD