K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Sonny Stitt: 12! (1972) また気になってきたMuseレーベル

Sonny Stitt: 12! (1972,Muse)
   A1.12!
   A2.I Got it Bad
   A3.I Never Knew
   A4.Our Delight
   B1.The Night Has a Thousand Eyes
   B2.Blues at This Tempo
   B3.Every Tub
Sonny Stitt(as,ts), Barry Harris(p), Sam Jones(b), Louis Hayes (ds)

(写真は個人のブログから引用させて頂きました.普段はamazonでみつかるのですが)

ジャズって娯楽であり、酒を呑むためにあった音楽、というのは生い立ち的には正しいのであろう。その後の育ちの複雑さから、時として深く感情深くに降り立ったりするのだけど。ボクの独り遊びは、観念的にヤヤこしいコトに首を突っ込む性癖があるので、直球じゃないジャズばっかり聴いているような気がする。

直球って?何と云おうか、表現が難しいのだけど、このソニー・スティットなんかは直球のヒトだろうと思う。聴いていてジャズ,としか云いようのない、真っ直ぐなドライヴ感。とても由緒正しい娯楽音楽感があるのだ。ボクがジャズを聴きはじめた頃はSonny Stittご存命。絶命寸前のカラダで弱りながらツアーしていたらしい。だから帰国後早々に、旅立たれていった記憶がある。貧乏暇無しの人生だったのだろうな、と少し哀しい気持ちになった。

改めて聴き直しているのだけど、抑制の効いていて、それでいて淀みなく音が紡ぎ出されていくプレイは職人芸としか云いようがない。Be Bop初期のバド・パウエル(p)との共演アルバムのような熱さ、は感じない。 バリー・ハリス以下のリズムも同じような味。ジャズの職人達。ボクの好みは比較的賑やかに聴かせてくれるB面。なんとなくジャズ喫茶くずれの酒場で呑んでいるような気持ちに一直線。良質な娯楽ジャズでしょ。こんなジャンルのLPレコードが実は少なからず持っていて、タマにはターンテーブルに載せるのだ。

Museという1970年代から1980年代にかけて正統的なジャズを残したレーベル。小粒でも大粒でもない、中粒ってコトバはないと思うのだけど、そんなジャズを沢山残している素敵な感じのレーベル。同時代のMilestoneなんかとは違った「中粒」のジャズを聴かせてくれる。最近気になっていて、LPレコードを漁っているとき、ECMだけじゃなくてMuseも気にしているのです。あんまり掴んでいないけどね。

タマには正統的なジャズも少し。