Pierre-Laurent Aimard: Debussy曲集(2001,WB)
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起きたら風薫る穏やかな朝が待っていた。まだ気持ちが慣れていなくて、本当にその穏やかな雰囲気に浸ってよいものか戸惑ってしまった。忙しい一日を過ごした後、夜半過ぎに仕事場を出たのだけど,やはり穏やかな大気が少し乾いた感じで流れていて、今度は少し浸ってみることができた。走らせるクルマの横を、灯が落ちかけた街の様子が流れていった。
今宵ポストに入っていたのはピエール=ロラン・エマールのドビュッシー集。ジャズでビル・エヴァンス的な音世界が好きなように、クラシックでもドビュシーやラヴェルの曲は好きだ。とりわけ大気の温度が緩むと、フランスの曲が気分に良く合う(ような気がする)。最近はベロフのEMI(古い方,手を故障する前)でのドビュッシー集が気に入って何回も何回も聴いていた。強めの鋭いタッチが曲の透明度を高めているような感じ。今日届いたエマールは決して鋭く聴かせるような感じではないのだけど、音がとてもしなやかな感じ(というのかな)で柔らかな綺麗さ。水や氷のような光を跳ね返すような眩しさは強くないのだけど、内包する暖かさが気持ちを照らすような感じ。ミケランジェリのような絶対温度の低さ、に驚くような聴こえ方とは方向性が随分違うような気がする。
こんなことを綴りながら聴いていると、いつまでもボクのなかで夜が更けていかないので、ここまで。でも気持ちがいいなあ。おやすみなさい。