K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Bob Mintzer: Longing (1997) なんだか暖かな響きのDuologue


 普段聴く音楽は勿論ジャズなのだけど、この2年ばかりクラシックの官能性に触れたり、南米音楽の透き通る空気感に触れたり、あるいは現代音楽の意表を突く音に驚いたり、楽しい周縁の拡大が続いている。

 反面、うろうろと彷徨っているような感覚は拭えなくて、なんとなく疲れた感覚があることも事実。最近の南米熱でうなされた後の祭り。だからそんな時には、ジャズの音が聴きたい。

 ボクが案外好きなのはデュオ。多くのデュオは技を競い合う、というよりはソロよりも大きく間をとって、たおやかな音世界を作っていることが多い。二人の奏者の間に広がる、なんだか暖かな響きのDuologueが好きだ。

  これはそんな一枚。ボブ・ミンツァーの柔らかな響きもいいし、名脇役のギル・ゴールドスタインも巧く支える。テナー・サキソフォンの朴訥な話しを、ピアノがゆっくりと頷きながら聴く構図が好ましい。

 二曲目はJaco。ジャコとのミンツァーの演奏も良かったな。ジャコへスコアを提供していたギル・エヴァンスとの共演歴があるゴールドスタイン。なんとなく、「あの周辺の音」が背後にあるのだけど、安寧の音に昇華されているのは、「あの時代」からdecadeを経たからなのだろうか。

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Bob Mintzer: Longing (1997,Owl)
  1. Overlap (B. Mintzer)
  2. Jaco (G. Goldstein)
  3. Angelique & Ellen (G. Golstein)
  4. Comotion (B. Mintzer)
  5. Longing (B. Mintzer)
  6. Your Story (Bill Evans)
  7. What's The World (B. Mintzer)
  8. Two To Tango (B. Mintzer)
  9. Three Little Initials (G. Goldstein)
 10. Everything Happens To Me (Tom Adair, Matt Denis)
Gil Goldstein(p,accord), Bob Mintzer(ts, b-cl)