K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Nora Sarmoria: Libre de consenso (2005) 透き通った音の匂い


 久しぶりにNoraを聴いた。少し古い2005年のもの。天賦の才、というものが確かにあると感じさせ、そんな人固有の印象がある。先入観なく音を聴くと、アルバムの時系列が全くわからない、ということ。どうも外部からの影響が僅少で、スタイルは変われど、その人自身の音であることに変わりなく、流行とも関係ない。だから、気の赴くままに作られた音に時代の必然性がない。時代が奏者と合うか、どうか。

 Noraは典型的にそんな人で、個性的な唄声とピアノが折り重なって匂いたつ音は美しくも、ただ綺麗という音ではない。個性そのものをぶつけられるような、ゴツゴツとした感じが気持ちよい。その分、好き嫌いはあるのだろうけど。

 このアルバムは2005年。少し前のものなのだけど、やはりブラインドで聴くと、いつのものかわからない。ピアノと唄があって、トラックによってはギター、打楽器、サックスが加わる。冒頭のSinesiのギターとのデュオにやられた。4曲めのvibとのデュオも音場がいきなり変わる面白さ。女パスコアールといった趣なのだけど、彼のようなマジカルな奇妙さはない。透き通った音の匂い、が彩り豊かなものなのだ。

 日曜の朝の気分にとても合う、アルバムだった。 

彼女のサイトで試聴できます

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Nora Sarmoria: Libre de consenso (2005)
1. Son milagros que pasan
2. Brisas (Hugo Fattoruso)
3. Mariposas activadas
4. Planeta
5. La casita de mis viejos (Cobian - Cadicamo)
6. Puede ser
7. Maria (Castillo - Trilo)
8. Zamba del mar (Leguizamon)
9. Gordo tambor
10. Te alejas (Mormandi - Sarmoria)
11. Engamada
12. Tu-Ya
13. Brillo del aire
Nora Sarmoria (p, voice, accor, fl, b, harp tec.), Martin Pantyraid(bs, ss, ts, cl), Facundo Ferreira(perc, ds)
Guests:
Quique Sinesi(g), Mark Headbutt(vib)