30年振りにレコード盤に針を載せた。ある時期から、この手の音楽は全く聴いていない。
改めて聴いてみて驚くのは、今、聴いてみると音の洪水、という程でもないし、むしろ楽器の限界まで音を出す行為がとても生々しく、面白く聞こえる。ジャズという音楽ジャンル、いや音楽というジャンルから外れているが、無機的なようで無機的でない音の配列が喚起する奇妙な感覚を楽しむ、ことができる。多分、即興であるとか作曲であるとか、ということすら下位概念であって、音、それを出す楽器の存在意味まで問い直すような音の記録。
片面を聴いて、もう片面に針を下ろす判断が余裕で出来た、この30年間の感覚の変化、に我ながら驚いた。案外、イケるじゃない!
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Evan Parker: At The Finger Palace (1978, Beak Doctor)
A. Part 1: Fingerprints 22:30
B. Part 2: Fingerprints 23:08
Evan Parker(ss)
Artwork: Jean de Bosschere
Producer: Henry Kaiser, Woody Woodman
Recorded in performance at Woody Woodman's Finger Palace, Berkeley, November 2, 1978