K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

渋谷毅, 森山威男 (2001) あの緩い空気のなか(見えない匕首)

 先日、オークションで安価だったので購入。ゆっくり、静かに渋谷さんのアルバムを手に入れている。

 渋谷毅と森山威男って、カテゴリが違う奏者だと思うのだけど、基本的には「不動の渋谷毅の音」に森山威男が様々な音色を嵌めていく、作業を行った軌跡、のようなアルバム。だから、パルスのような細動から、キャブ・キャロウェイのバンドに似合いそうなバスドラムのドンドコまで、実に面白い。

 渋谷毅の音、夕暮れの小学校の校庭の隅で聴くような、に、しっぽり合わせて聴かせる森山威男って凄いな(凄い奏者なのは勿論知っているのだけど)、と改めて思った次第。

 渋谷毅のポップ(というか歌謡曲的)な側面が強く出たアルバムなので、ソリッドなジャズを期待している向き、には合わないので念のため。でも、そんな音を酔っ払いながら演奏している彼の懐に、決して見えない匕首が隠れていることをボクは知っている。

 

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渋谷毅, 森山威男 (2001,徳間)
1. Danny boy
2. 見上げてごらん 夜の星を
3. I love paris
4. 浜辺の歌
5. Summertime
6. Autumn nocturne
7. 遠くへ行きたい
8. Hush-a bye
9. 金髪のジェニー
10. 行かないで
11. Memories of you
渋谷毅(p), 森山威男(ds)