K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Paul Bley: Closer

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Paul Bley: Closer (1966, ESP)
A1. Ida (Carla Bley)
A2. Start (Carla Bley)
A3. Closer (Carla Bley)
A4. Sideways In Mexico (Carla Bley)
A5. Batterie (Carla Bley)
B1. And Now The Queen (Carla Bley)
B2. Figfoot (Paul Bley)
B3. Crossroads (O. Coleman)
B4. Violin (C Bley)
B5. Cartoon (A Peacock)
Paul Bley(p), Steve Swallow(b), Barry Altsho(perc)
Art Direction: J. Dillon
Engineer: R. L. Anderson
ESP Disk 1021 

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[2016-09-04]  ECMのことを考えながら

昨日届いたポール・ブレイのESP盤。カーラ・ブレイの曲が中心。あとポール、アネット・ピーコック、オーネット・コールマンと役者が揃っている。まさに、そのような空気の中からECMが生まれたんだよなあ、と思う。ECM設立の僅か3年前。

初期のECMのアルバムのなかには、この時期のブレイの演奏があって、それをre-masteringして、「ECMっぽい」残響感を軽くつけている。だからまさに、このアルバムの演奏は揺籃期のECMの源流。勿論、村井康司さんの著作で書かれているように、1961年のジミー・ジェフリー・トリオが原点なのだろうが、その3人のうち2人がブレイとスワローだから、まさに、である。

ESP盤というと、アイラーのイメージが強くて、強面なんだけど、このアルバムはブレイのIda Lupinoではじまり、少し驚く。優しい気持ちになる。曲として、旋律に気持ちを持って行かれるのは、冒頭の曲くらいなのだけど、ポール・ブレイのピアノが点景のような音、ピアノを十分響かせた、を並べていくような、抽象的な音の組み立てが続いていく。

入手したのはESPの初期のプレスなのだけど、米盤らしい強い、キレの良い音。ベースとドラムはオフで、バランスが悪い。だからブレイの点景のような抽象的な音、との相性は必ずしも良くない。スキマだらけ。だから、楽器間のバランスを直し、このスキマに残響を入れるようなイコライズ処理を行うと、立派にECM盤になるだろうな、というようにきこえて面白い。

Closer

Closer

 
いりぐちアルテス004 JAZZ100の扉  チャーリーパーカーから大友良英まで (いりぐちアルテス 4)

いりぐちアルテス004 JAZZ100の扉 チャーリーパーカーから大友良英まで (いりぐちアルテス 4)

 

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