ヘンリー・グライムスが存命で、活動していると知って、驚いた。ボクが知っているのは1960年代まで。アルバート・アイラーとマッコイ・タイナーのアルバムでの演奏が、印象的な半世紀ほど前の奏者なのだ。
長く隠遁していたそうだ。早速聴きたくなったので、apple musicでみてみると、このアルバムが。ラシッド・アリとのデュオ:
ラシッド・アリというと、ブートもどきのジャコ・パストリアスとの共演が思い出されるが(ダメ盤)、それ以来じゃないかな、聴くのは。
内容なのだけど、2人とも快調。アリの抑制気味の軽快なパルスの上で、グライムスは様々な音を出している。ジャズ・ベーシストであることを主張するが如きビートから、弦の音響を試すような空間的な広がりを狙ったような音まで、全く飽きさせることがない素晴らしい演奏。
中川信夫の怪談じゃないが、生きてゐるグライムス、なのだ。
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Henry Grimes, Rashied Ali: Spirits Aloft (2009, Porter Records)
1. Moments (Poem) 0:34
2. Rapid Transit 14:50
3. Oceans Of The Clouds 7:32
4. Larger Astronomical Time 4:49
5. Arcopanorama 10:21
6. Priordained 14:10
7. The Arch Stairwells (Poem) 2:00
Henry Grimes (b, vln), Rashied Ali (ds)
Recorded February 7, 2009 at the Gordon Theatre, Camden Center for the Arts, Rutgers University.