McCoy Tyner: Reaching Fourth (1962, Impulse!)
A1. Reaching Fourth (McCoy Tyner) 4:14
A2. Goodbye (Gordon Jenkins) 5:40
A3. Theme For Ernie (Fred Lacey) 5:55
B1. Blues Back (McCoy Tyner) 7:34
B2. Old Devil Moon (From Finian's Rainbow, Burton Lane, E.Y. Harburg) 7:25
B3. Have You Met Miss Jones ( L. Hart-R. Rodgers) 4:09
McCoy Tyner(p), Henry Grimes(b), Roy Haynes(ds)
Engineer: Rudy Van Gelder
Producer: Bob Thiele
Recorded At – Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey
Recorded on November 14, 1962.
-----------------------------------------------------------------
ボクがグライムスを知ったのは、このレコード。「重たい軽やかさ」のような、ドライヴ感が好きだった。何回も聴いたなあ。その後、アイラーのESP盤かな、記憶に残るのは。随分と間口が広い奏者だと思った。
1970年代以降のアルバムは知らないし、ジャズを聴きはじめた1979年でも全く活動は知られていなかったので、姿を消した奏者だったのだ。
だから 田中啓文さん系の情報で、生存かつ活動再開を知って、聴きたかったなあ。コニッツと同じく辛い亡くなり方をされたのかと思うと、胸が痛む。合掌。
[2020-01-26] 密やかなる愛聴盤
これもレコードを聴きながら、古い記事の手直し。この頃のタイナーはいいなあ。1970年代の日本のピアニストの範だった、ということがよく分かる。ヘインズに耳が惹きつけられてきたが、改めてグライムスのベースの重たい軽やかさ、のようなものがいいなあ、と思う。あっ、要は全員いいなあ、ということ。
それにしてもRVG刻印の古レコードを聴いているが、音の良さ、いや「気持ちの中のジャズらしい音」に浸っている。マッキントッシュの球アンプとJBLの古スピーカとの相性よし。
それにしても昨今のレコード屋で安レコの代表が、マッコイとリッチー・コールというのが哀しいが。
[2013-09-30] 密やかなる愛聴盤
これは、密やかなる愛聴盤。何となく「いいよね」って語り合う対象じゃない奏者のように思えて久しい。ヒネレば、ヒネルほど、音楽を聴く側のツボから離れるような、ちょっと哀しい感覚がある。たまにコルトレーン時代を回顧するような企画モノだと、また、あの「ズドーン」とした音が懐メロのようにきこえてくるのも、どうも、だし。
とは云え、コルトレーンとの共演や、ブルーノートでの吹き込みを聴いていると、もう少し真っ直ぐで、スピード感溢れるソロを聴くと、いいなあ、と思うことも確かなのだけど。
このReaching Fourthを含めて、初期のImpulse盤はそんな観念の「走り過ぎ」はなくて、黒光りするようなピアノの響きを楽しめる盤が幾つかある。この盤はその中でも好きな１枚。冒頭とお仕舞いの曲の疾走感がとても気持ち良い。こんな曲でのロイ・ヘインズが叩き出すテンションの良さって、何とも表現しがたい。いいよね。そして、ゆっくりとした曲での音の照り、のようなものが美しい。
随分と長い間、このレコードを楽しんできた。つい最近、レコード屋でヴァン・ゲルダーの刻印入りの１枚を安価に入手。音の鮮度がよく、ますます好きになったなあ、Reaching Fourth が。ここ最近のエヴァンス狂いとも、随分と方向は違うのだけどね。
------------------------------------------------------------
