天候が良いので自転車通勤が気持ちよい。金沢郊外の農村地帯にある集落の路地を走り抜ける。とは云え、田畑は殆ど宅地開発されているのだけど。
集落内にある小さな神社。前から近くを通っていたのだけど、気にしたことがなかった。今朝、ゆっくり見ると八坂神社、という名前。京都の祇園にある八坂神社の末社のようだ。ならば素戔嗚尊が祭神。天照大神の弟神ではあるが、出雲大社に祭られる大国主命の父神。高天原で荒ぶる姿は、国譲りで黄泉に向かった大国主命とともに国津神の印象が強い。朝廷に支配される側の存在。
ちなみにボクの住まいがある犀川沿いの街道筋、旧犀川村までのあたりは日吉神社。これも調べると大国主命らが祭神。やはり国津神。
白山比咩神社の祭神である菊理姫命も、日本書紀の外伝にのみ出てくる神で国津神。能登一宮である気多大社も大国主命。
この土地は皇室の始祖である天津神ではなく、天津神に平定された太古の部族の神の土地、なのだ。一向一揆で一世紀にわたり世俗支配から脱した歴史の起点、がそんなことにあるのかな、とぼんやり思いながら、職場までペダルをこいでいた。いい天気だ。