[ECM1025] Ralph Towner With Glen Moore: Trios / Solos (1972)
A1. Brujo (Ralph Towner) 5:34
Towner/Moore
A2. Winter Light (Ralph Towner) 3:34
Towner
A3. Noctuary (Glen Moore, Paul McCandless, Ralph Towner) 2:22
McCandless/Moore/Towner
A4. 1x12 (Ralph Towner) 2:48
Towner
A5. A Belt Of Asteroids (Glen Moore) 6:37
Moore
B1. Re: Person I Knew (Bill Evans) 6:18
Towner/Moore
B2. Suite: 3x12 (Ralph Towner) 7:12
Towner
B3. Raven's Wood (Ralph Towner) 5:19
Towner/Moore/McCandless
B4. Reach Me Friend (Ralph Towner) 3:24
Towner
Ralph Towner(g,p), Glen Moore(b), Paul McCandless(oboe), Collin Walcott(tabla)
Cover Design: B & B Wojirsch
Recording Engineer: George Klabin
Mixed by Martin Wieland
Photograph: H. Paysan, Ken Kay
Producer: Manfred Eicher
Release: 1973
Recorded November 27-28 1972 at Sound Ideas Studio, New York City.
https://www.ecmrecords.com/catalogue/143038750625/trios-solos-ralph-towner-with-glen-moore
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[2019-12-28]
改めて聴くと、ECMで民俗音楽(民族とは書かない)的な指向が打ち出された最初の一枚じゃないかな。民俗的、昔から土着的にありそうな音で、しかし現代的なフィルターで濾過され、どこの「民族」でもないユニヴァーサルな装いに。濾過の過程で熱が冷まされ、ECM的な温度感になっている。
[2015-03-27] ECMの魔術
1972年に録音し、1973年に発売する一連のアルバムの質の高さ、に驚きを禁じ得ない。
このアルバムは、今回のLPレコード蒐集のなかではじめて聴いたもの。タウナーはDiaryが気に入りで、かれこれ30年以上聴いているのだけど。聴いておけば良かった、このアルバム。メンバーは当時のオレゴンと全く同じ。ただ、当時のオレゴンは米Vanguardと契約していたのでタウナー名義。また、4人が揃った演奏はなく、ソロ、デュオ、トリオ。ただし、多重録音(タウナーのギターとピアノ)が入っているので、そんなに単純な聴こえ方じゃないのだけど。
(VanguardからElektraを経て、ECMにオレゴンに登場するのは10年くらい後。)
当時のオレゴンを聴くと、1970年代のブルーベック、つまり米国のFlower generationの若者達の気分に合わせたバンドのように思う。クラシックを聴くほどsnobじゃないけど、black musicを聴くほどhipになれないけど、のような(アクマで推測です)。東洋の香りを持つジャズっぽい室内楽、て感じ。
このECMはそこから大きく飛び出して、個々のimprovisationに大きくspotを当てており、また大きな音空間に納めることで、音の洪水のなかでもなお、沈黙の背景から浮かび上がらせている。静謐さ、を失っていなくて、まさに欧州のマイナ・レーベルを聴く悦びに浸れる。
ニューヨークでの録音なのだけど、remixで完全にECMの世界。演奏と録音の素晴らしい邂逅、がここにある。ECMの魔術、を聴いている。Vanguardのオレゴンよりも、音空間は広く、個々の音の分離はよく、しっかりとした定位感。さらに、聴き手との距離が随分近い。演奏だけでなく、音、でも聴かせているのだ。
工藤さんのブログ:
https://jazz.txt-nifty.com/kudojazz/2005/07/triossolosralph.html
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Made in Germany記載はオリジナルじゃない、そうだ