K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Seattleの朝


 JET LAGなのか何なのか。睡眠が不規則なのだけど、疲れるのか日本であり得ないくらい寝ている。8時間くらい。だから随分と夢をみた。この20年くらい、あまり夢を見ていないのだけど、それは睡眠時間が足りないから、なのだろう。昔の友人、今の知人がボクの周りで入り乱れ、心を乱すような場面が続く。随分と昔についた気持の傷のようなものが、未だに意識の底に残っていることが良く分かる。夢をみなかった20年は暗渠に蓋を置いただけだったようだ。

 そんな夢が覚める頃が夜明け。高層ビルの向こうから陽が差していく様子をぼんやりと見ている時間が好きだ。まだ夢の余韻で動揺しているのだけど。

 泊まっているホテルはなんとなく古風な感じがあって、落ち着いている。やがて朝食の時間になると、ゆっくりと本を読みながら朝食をとる。

 最近はどこのホテルもbuffetなのだけど、ここは細かく注文。西海岸の大気は雨が多いNorthwestでも乾燥している。だから朝起きたときのジュースがとても美味しい。普段は全く呑まないのだけど。20年くらい前、仕事でPalo Altoに行った時、同僚が教えてくれたことを思い出した。乾燥しているからね、美味しいのだよ、って。それからの習慣。

目玉焼きを頼んだ。ボクは米国でも、タイでも、ヴェトナムでも目玉焼き。自宅でもそう。ここの目玉焼きはベーコンの油で焼いてくれていて、なかなか美味しかった。

 そうやって独りで過ごす時間のなかで、ようやく彼の地に溶け込んできたように思うのはいつもの事だけど、そんな頃には帰国が迫っているということも、やはりいつもの事。億劫な気持でやってきたSeattleだったけど、朝食の支払いで給仕の女性と他愛もないやり取りをしている内に、少しだけ帰ることが寂しいように感じた。