先月末の給料日に、気になっていたCDをまとめ注文。続々、て云っても4枚だけど届いた。レコード蒐集も一息(ウソ付け)と思ったので。まとまって来たアルバムの音の「均質化」と「角が取れる」残響・イコライズ処理にイラッときたので、昨日の記事。
このアルバムもECM的な音響処理の中に浸っているのだけど、あまり気にはならない(ピアノの音はもう少しクリアであっても、とは思うが)。トランペットの音がECM的な(やや過剰な)残響空間と良く整合している、と思う。
トランペットはとても正統的なジャズ・トランペットをしっかり吹いている感じ。そして、その音色の魅力や深みを十分伝えている。そのトランペットを包み込む、トラックごとに様々な色彩で、淡色の空間を、ヴィジェイが構築している。その空間が美しく、また麗しく、最後まで楽しませる。やや雑音的な音まで繰り出すエレクトロニクスの効果が、まさに今の時代の音楽であることを主張しているし、またフェンダー・ローズの音の美しいこと。
驚いたり、圧倒するようなものはないのだけど、ECMらしい単なる静謐さを超える何か、をしっかり感じさせるいいアルバムだなあ、と思った。フリー系の奏者のECMって、アタリが多いと思うのだけど、どうだろうか?
関連サイト:
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(ECM2486) Vijay Iyer, Wadada Leo Smith: A Cosmic Rhythm With Each Stroke (2015)
1. Passage (Vijay Iyer) 6:15
A Cosmic Rhythm With Each Stroke (For Nasreen Mohamedi) (Vijay Iyer, Wadada Leo Smith)
2. All Becomes Alive 9:09
3. The Empty Mind Receives 4:55
4. Labyrinths 6:43
5. A Divine Courage 9:12
6. Uncut Emeralds 7:43
7. A Cold Fire 5:55
8. Notes On Water 7:58
9. Marian Anderson (Wadada Leo Smith) 8:23
Vijay Iyer (p, Fender Rhodes, Electronics), Wadada Leo Smith(tp)
Design: Sascha Kleis
Photograph: Megan Fraser
Engineer [Assistant] : Akihiro Nishimura
Engineer [Recording] : James A. Farber
Producer: Manfred Eicher
Released: 11 Mar 2016
Recorded October 17-19, 2015 2015
Avatar Studios, New York