クレイグ・ティボーンが気になる、というより、彼を通した「今のジャズ」を切り取ってみたいという、気持ち。20世紀末、何となく閉塞されたようなジャズの状況が気になって、「新しい音」が知りたかった。一番参考になったのは、村井康司さんの本:
ビル・フリーゼルなんかは、この本から興味が広がった。それでも、何となく足りない。そんななかでの所謂JTNCでのグラスパの紹介だったりするのだけど、それも違和感(グラスパは良質のソウルかと)。JTNCシリーズが、優れたディスクガイドであることは、シリーズ化されて、その立ち位置で理解はしたのだけど。
クレイグ・ティボーンのCDをかき集めて、改めて、米国のジャズの21世紀を咀嚼している。そして、その先進性を噛みしめている。バーンのソロから感じる伝統的なジャズの匂い、それを包含し多様な音で空間を建築していく。ベース・レス・トリオなのだけど、Electronicsが作り出すうごめくグルーヴも変態的で気持ちよい。
もう随分前のCDなのだけど、ボクが知らないだけで、音は21世紀のはじまりとともに、新しい息吹を聴かせはじめていたんだと、何となくうれしくなった。ライヴ盤も聴いてみなくちゃ。
------------------------------------------------------
Tim Berne: The Shell Game (2001, Thirsty Ear)
1. Hard Cell (For Tom)(Tim Berne) 9:26
2. Twisted/Straight Jacket(Tim Berne) 21:07
3. Heavy Mental (For Wayne Krantz)(Tim Berne) 6:28
4. Thin Ice(Tim Berne) 29:41
Tim Berne(as), Craig Taborn(key, electronics), Tom Rainey(ds)
Recorded Jan/Feb 2001