K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Lennie Tristano: The New Tristano (1960) 独白のような、その重みのようなものが

Lennie Tristano: The New Tristano (1960, Atlantic)
A1. Becoming(Lennie Tristano) 4:31
A2. C Minor Complex(Lennie Tristano) 5:47
A3. You Don't Know What Love Is (Don Raye, Gene DePaul) 3:26
A4. Deliberation(Lennie Tristano) 4:48
B1. Scene And Variations(Lennie Tristano) 11:40
      B1a Carol, B1b Tania, B1c Bud 
B2. Love Lines (Lennie Tristano) 2:18
B3. G Minor Complex(Lennie Tristano) 3:49
Lennie Tristan(p)
Engineer: Lennie Tristano
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トリスターノのソロ。creditをみると、自身で収録したようだ。1960年。アトランティックのレコードで、いい録音だなあ、と思って聴いたアルバムは少ないような気がするが、これは別。とてもピアノの音響が良く捉えられていて、美しい。

常に緊張が張り詰めたようなピアノで、流れるように音を出していない。そして曲調はdarknessそのもの。そして少なからずアヴァンな味もある。

時折、微かに声が漏れる。当時のハード・バップの奏者とも、あるいはエヴァンスやフリードマンのような奏者とも異なるピアノの音の流れ。奏者から聴き手へ、ある了解性のもとに流れてくるのではなく、モンクや菊地雅章のピアノのように、奏者自身の了解性が優先されている、と云ったらいいのか。独白のような、その重みのようなものがズシンとする感じなのだ。

組曲となっているScene And Variationsの Bud。バド・パウエルの演奏のTranscriptionのような感じで、トリスターノ的パウエルの音の紬が面白かった。

The New Tristano

The New Tristano