K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

rabbitoo: national anthem of unknown country (2014) 今年よく聴いたアルバム

 昨年秋、秋のアキ(だったか)ツアーで金沢・もっきりやに来た高瀬アキバンドのドラマーが田中徳崇さん。その後の日野皓正バンドでもそうだったけど、切れのよい変化自在なドラムが素晴らしかった。そんなことをネットで申し述べしていたら、新潟のSさんから勧められたのが本盤。今年の7月のこと。爾来、仕事場で聴くアルバムno.1なのである。ジュリアナのジャズアルバムや、サンチェスの名高い新譜、よりも聴いている。

 年内にアップだけしておこう、と思う。

 ミニマル、オーネットの曲調、様々なリズム、そんな要素が一つの流れの中に畳み込まれていて、無理なく流れていく。その気持ちよさはただ事ではない。ドラマーに注目して手にしたのだけど、個々の楽器の演奏の善し悪しすら気持ちに入ってこない。全体の音として美味しく作編曲されている、と思うのだ。そして、昨年末にジュリアナを聴いたときと同じように、確かに21世紀のジャズを聴いている、という確かな気持ちになれるのだ。

 昨夜、モチアンのアルバムを聴き直しているときに亡きオーネットを思い出した。このアルバムでも、10曲目はまさに同じ音世界。1970年代にキース・ジャレットやチャーリ・ヘイデンが作った音と陸続き。勿論、間にメセニーが入っていると思うけど。それがオマージュとして響いてくる。

 新譜目前の今の時期なのだけど、聴くべし、のアルバムであることを強調したい。Sさん、ありがとう。

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rabbitoo: national anthem of unknown country (2014, song-X)
1. 猿の正夢
2. 黄色いスープ、青のパン
3. 砂漠の水夫
4. 入り口から数えて五番目の席で待つ男
5. 森
6. subliminal sublimation
7. EAT YOUR ORANGE
8. Distance
9. 兎とコッペパン
10. n.a.o.u.c.
11. 三番目の太陽
12. 入り口から数えて二番目の席で待つ女
市野元彦(g), 藤原大輔(reeds), 佐藤浩一(key), 千葉広樹(b), 田中徳崇(ds)