K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

カフカ鼾: nemutte (2016) 液状化する世界を

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  夏頃、名古屋で買った坂田明のCDでアイルランド系米人奏者ジム・オルークを知った。その彼が気になって音源を追いかけたが、カテゴリーのようなものか見ると、全く捉え所がない。

 このアルバムはCD1枚分で1曲。3人のとりとめもない会話のような、音響的な効果を試し合っている、ようなアルバム。先日聴いたThe Neckとかなり近い印象ではあるが、ミニマル的な音の造りはない。浮遊感が浮遊感に留まらず、相対としての音像のようなものをピン止めしていて、その複合的な音の切り口が様々な印象を喚起し、とても面白い。またビートを打ち出したときの、陰花のようなグルーヴ感も気持ち良い。

 それにしてもカフカ鼾、って、何だろうか?

 今年はエヴァン・パーカーから関心の漂流がはじまって、様々な音の断片を拾い上げた年になった。楽しかった。このような音、The Neckのような音、Nakama. Ruwehあたりの音、それらが全体で液状化する世界を音で表しているような、不思議な感覚を覚える。何処に行き、何になるのだろうか。

 

nemutte

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nemutte

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カフカ鼾: nemutte (2016, felicity)
1. nemutte
Jim O'ruke (synth, g), 石橋英子(key, p), 山本達久(ds)