K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

山出保:金沢らしさとは何か (2015) 専門職の矜持

小松空港には小さな本屋がある。そこには地方出版社の本が沢山あって、旅行者に提供している。ボクはそこを眺めるのが好きで、時々、気になる本を入手する。他の街に行ったときもそうだ。 何ヶ月か前に入手した本が、山出 元金沢市長を囲む座談会の記録。実…

11月17日・黎明・南天・金沢

Wolfgang Muthspiel: Bearing Fruit(2003) グレゴリオ聖歌とともに

ECMでの新譜で気になたWolfgang Muthspielをもう少し聴いてみようと思った。 このアルバムは、大分前にK君から教えてもらったアルバムがある。グレゴリオ聖歌とともに吹き込んだもの。apple musicにもあった。 静謐な音場よりも、むしろ安寧の音場を指向して…

阿部薫: Mort À Crédit-なしくずしの死 (1976) 今、音だけを聴く

阿部薫に関する記述やyoutubeにあったTV番組なんかをみると、阿部薫という題材を通じて時代を語る、あるいは自分を語るような側面が気になる。案外、音楽の話ではないのだ。1970年前後を頂点とした破壊へのヴェクターが急激に退潮した流れ、と、1976年に自死…

晴れない朝(11月の金沢らしい)

今宵の夜空(やっと晴れてきた)

森山浩二: Live at Misty (1979) 「裏」高柳昌行セカンドコンセプト

ここ数ヶ月、(納得できる価格のものを)探していたレコード。高柳昌行セカンドコンセプトの「裏」アルバム的な存在だと知ったのは、森泰人が書いたLive at Taroのライナー・ノートから。セカンドコンセプトのピアノ奏者・弘勢憲二(この方の演奏が実にいい…

(ECM2465) Tord Gustavsen: What Was Said (2015) 雨降りの朝はレコード

雨降りの朝はレコードを聴いている。まとめ買い(送料節約のため)で入手した1枚。半分くらいは未聴。これも、未聴の1枚。冷え切った音響装置がゆっくり暖まるにつれ、音が広がりだす様子が手に取るように分かる。エレクトロニクスや打楽器で彩られた声や…

Steve Grossman: Live At Someday Vol.1 (1987) タマには直球のジャズを

たまに思い出したように聴くアルバム。そんなに録音が言い訳でもないのだけど。凄まじい存在感で管を鳴らしきり、聴く者を圧倒するブロウ。来日時にライヴハウスSomedayで行った日本人奏者との共演。バックの3人も実に素晴らしい演奏で支えている。ジャズを…

ALMレコードのチラシ(阿部薫「なしくずしの死」)

昨夜は仕事での来客と会食。なんとなく疲れたので独りでもう一杯。 カウンターで同席した客(Yさん)と渓流釣りの話で盛り上がって、面白かった。眠くなった帰り際に阿部薫の話が出た。金沢でECMの話が珍しい、といってたのは珈琲屋のK君だけど、金沢で阿部薫…

ECMの近作のレコード

今日、入着のレコード。ECMの近作ばかり。 2種類あるようだ。audiophile vinyl pressingという軽い盤と、180g vinyl pressing。まずはヤコブ・ブロを聴いてみたが、もう、そのリアルさに打ちのめされた。特にトーマス・モーガンのベースが凄い。残響過多、…

(ECM2515) Wolfgang Muthspiel: Rising Grace (2016) 予定調和のなかだから

珍しく新譜をチェック。というのは、24bit/88.2kHzの高分解能音源の販売サイトがあって、試したくなったのだ。$17は、現時点のCD通販より安価。しかも高分解能音源で入手できる。ボクは「ディジタル音源」に関しては、物理媒体に全くこだわりがないので、有…

蟹めん(笠舞おでん・つぼみ)・名古屋のお菓子

昨夜は久しぶりに金沢に帰ってきたA君、Nちゃん、彼らの名古屋の学友と笠舞おでん・つぼみへ。この時期の目当ては蟹めん。香箱をうまく仕立ててあって、実に美味い。子も十分詰まっていて、これでかなり呑める。いや、ほんとうに美味かった。この時点でかな…

蟹めん(笠舞おでん・つぼみ)・名古屋のお菓子

昨夜は久しぶりに金沢に帰ってきたA君、Nちゃん、彼らの名古屋の学友と笠舞おでん・つぼみへ。この時期の目当ては蟹めん。香箱をうまく仕立ててあって、実に美味い。子も十分詰まっていて、これでかなり呑める。いや、ほんとうに美味かった。この時点でかな…

秋の仙台・いつもと違う牛タンの店(東北出張2日め)

古川での仕事を午前中に終えて、仙台での会合へ。片平あたりをゆっくり歩くと、変わらぬ風情にほっとする。建物なんかは20年前より、随分と綺麗になっているのだけど。すっかり市内も紅葉。 例年は仕事の後に秋保か作並に行くのだけど、今回は仕事の都合で皆…

(ECM2430) Andrew Cyrille: The Declaration Of Musical Independence (2014) 今、を生きるシリル

寒かった東北の出張から、暖かい金沢に帰って、ほっとしている。長旅で疲れているのだけど、帰途、ふっと聴いたアンドリュウ・シリルの新譜の素晴らしさ、に気持ちが一気に開いた。帰宅後、ワインを呑みながら、しっかり聴いている。 何が素晴らしいか、とい…

知らない街に(宮城県・古川)

仕事で東北へ。金沢からは遠い。最近はとくに、そんなことに時間を費やしたくない、と思う。知らない街、にトキメかなくなって久しい。明らかに加齢だ。行き先は宮城県古川。吉野作造の街、らしい。 着いた時間が遅く、ホテルの前で少しだけ呑む。風情が良か…

子供の頃の違和感(鬼太郎夜話)

先日、何かの拍子に「ゲゲゲの鬼太郎」以前の鬼太郎の話になった。子供の頃の漫画本の鬼太郎は墓場鬼太郎であって、あまり正義の味方のような脱色したものでなく、シニカルな際どい存在。面白かった記憶がある。いつからか「ゲゲゲの鬼太郎」になって、まあ…

加古隆 , 高木元輝, 豊住芳三郎: 新海(1976)豊住芳三郎のドラム

1976年の名古屋Lovelyでのライヴ。メンバー、内容共に、このアルバムの存在を知ったときからドキドキし、聴きたくなった。 このような「発掘盤」のアルバムは多々あれど、多くはカセットレコーダによる私的な録音の発売であるため、演奏の良さと録音とのギャ…

1000m級の金沢外縁の峰にも冠雪が

白山では11月1日の降雪で、冠雪が確認された。 11月8日から荒れ気味だった金沢。市内でも霰が降ったりした。昨日は最高気温が10℃。 今朝、部屋から見える金沢外縁の1000m級の峰にも冠雪が確認できた。いよいよ冬だ。 朝8時になって、視界が開けてきた。

今季はじめての香箱蟹(中央通り・浜長)

昨夜は東北からのお客と会食へ。人数がそれなりに居るときにお世話になるのは浜長。たまたまなのだけど、漁を解禁したばかりの香箱蟹を頂くことができた。 ボク自身はシーズンに美味しいものを1つ2つ頂いたらいいかな、という感じなので、結構満足。これを…

本田竹廣: Boogie-Boga-Boo (1995) Fender Rhodesが作るグルーヴ

以前から欲しかったアルバム。結構中古でも値が張るので、普通の中古盤の値で出るまで、待った待った!今日、届いたアルバム。 期待以上に本田のFender Rhodesが作るグルーヴ感が素晴らしい。2管とブルースハープも曲にぴったりで大健闘。あんまり難しいこと…

11月8日 黎明

こうやって、毎日が過ぎていく。今朝は雲が少し出て、表情を変え続ける朝だった。

Derek Bailey: Pieces For Guitar (1966-67) 還っていく先

今日届いたCD。仕事場でまだ聴きながら仕事をしている。 ベイリーのソロは概して好物。とにかく美味しい。てっきり、このアルバムは晩年のものかと思うくらい、美しく、聴きやすい。でも初期の録音と知って驚いた。 結局、ベイリーって最初からベイリーで、…

Charlie Haden, Paul Motian: Etudes (1987) 普通のジャズをしっとりと弾く瞬間の魅力

いいアルバムだ。ヘイデンのベースを文字通り堪能できる。 ジョン・シュナイダー製作の一連のアルバムや、日本での富樫雅彦との共演盤などは、彼のソリストとして特徴あるフレーズを拡大鏡で見たような趣がある。だからジャズ奏者としての面白さ、というより…

Charlie Haden, Paul Motian: Etudes (1987) 普通のジャズをしっとりと弾く瞬間の魅力

いいアルバムだ。ヘイデンのベースを文字通り堪能できる。 ジョン・シュナイダー製作の一連のアルバムや、日本での富樫雅彦との共演盤などは、彼のソリストとして特徴あるフレーズを拡大鏡で見たような趣がある。だからジャズ奏者としての面白さ、というより…

まだ冠雪は見えない

確か夜遅い電車で辿り着いた筈だ。誰に連れられていったのだろうか。鵠沼にある彼の自宅で座り込んでいる自分に気がついた。南欧風の大きな家で、大きな庇の下がコンクリートが打ちっ放しの土間になっていて、上から幾つかの籠がぶら下がっていて、1つには…

(ECM2486) Vijay Iyer, Wadada Leo Smith: A Cosmic Rhythm With Each Stroke (2015) 単なる静謐さを超える何か

先月末の給料日に、気になっていたCDをまとめ注文。続々、て云っても4枚だけど届いた。レコード蒐集も一息(ウソ付け)と思ったので。まとまって来たアルバムの音の「均質化」と「角が取れる」残響・イコライズ処理にイラッときたので、昨日の記事。 このア…

どう思いますか、ECMの録音(昨日届いたCD)

一昨日はドルフィーのLPと一緒に、給料日に注文したECMのCDが3枚届いた。昨日にあと1枚。 最近のECMには、若干の疑問を感じながらも、気になるアルバムが多いのも事実。つい手が出る。 疑問とは: (1)かつてはアイヒャーの世界観が現実の先を行っている感…

南の空(犀奥から白山前衛の峰:高三郎山、大門岳、奈良岳、大笠山、笈岳)