K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

鳴らした場合(加藤一平, Yuki Kaneko, 村田直哉): ふつえぬ (2018) これライヴで聴かんといかんよねえ

油断ならないアルバムだ。ややノスタルジイを纏ったギターが穏やかに緩やかに旋律を奏でる.そこに電気的なノイズっぽい音がelectronicsやturntableにより重畳され、時間とか秩序のようなものが整然とゆっくり狂いはじめる。そんな2つのstreamが並立している…

角銅真実: Ya Chaika(2018) 耳元で囁きかけているようで

今日の夜明けはこれ。石若駿のアルバムで気になった声。 元来、日本の唄(あるいは唄い手)は苦手。歌詞のメッセージ性に感情が引っ張られるから。でも例外はあって、矢野顕子、浅川マキ、元ちとせは大丈夫だった。最近だったら、石橋英子、小田朋美。歌詞の…

Sonny Rollins: The Bridge (1962) 夜明けにはロリンズの橋を

夜明けにはロリンズの橋を聴いていた。と、いうのは面白いtweetが流れてきたから: 9,980 supporters have signed, only 20 to goRename the Williamsburg Bridge as the Sonny Rollins Williamsburg Bridge - Sign the Petition! https://t.co/H2yFb5jwqp v…

Ben Monder: Flux

Ben Monder: Flux (1997, Songlines Recordings)1. Muvseevum 6:402. Flux 8:323. Food For The Moon 8:134. Red Shifts 2:025. Jello Throne 9:486. Don't Look Down 5:117. Orbits 7:058. O.K. Chorale 7:399. Lactophobia 3:1110. Propane Dream 8:33Ben …

Anthony Braxton: Five Pieces 1975 (1975) ブラックストンの管の音

ブラックストンの膨大な作品は勿論、殆ど聴けていない。だから彼のことは何も知らない。だけど1972年のコリア抜きのサークル=ブラックストン・トリオで聴くことができる音は大好きだ。音を解体しながら、舞う一つ一つの音の切片がビートを形作り、それが怒…

Emanuele Maniscalco,Thomas Morgan: Copenhagen Season(2014) すっと空間に溶け込んだような

トーマス・モーガンとイタリアのエマヌエーレ・マニスカルコのデュオ。想像の通りの静謐な対話。まさにECM的な音場なのだけど、残響処理があっさり、なので、むしろ心穏やかな淡々とした対話の様子、が伝わる。 強い求心力を感じさせることもなく、二人でポ…

Joni 75: A Joni Mitchell Birthday Celebration(2018) 過ぎた時間を慈しむ

ジョニ・ミッチェルの名前を知ったのは1979年。買いはじめたSJ誌にジョニ・ミッチェルの新譜「Mingus」のクロス・レビューが載っていたのだ。その中に日本のジャズ奏者が居て酷評していたことが記憶に残っている。永く金井英人の論評と記憶していたが間違い…

Woody Shaw: Live in Chicago, The Jazz showcase 1979

Spotifyに上がっているのを見つけ、朝から聴いている。ショウの絶頂期・コロンビア時代のライヴ。FM音源らしく、何種類もブートが出ているようだ。はじめて聴く。 ボクはStepping stonesでショウに魅了されたので、ジェファーソンとのバンドが一番好きだ。だ…

Colored music(橋本一子, 藤本敦夫): Individual Beauty (1981-83) Colored Musicの「新作」

昨年、レコードとCDで発売されたアルバム。勿論、レコードを購入。ほぼ40年近く前に発売された橋本一子と藤本敦夫のColored Musicの「新作」。1981年から83年に録音された未発表トラックを集めて作ったもの。まさか今頃にそんなものが、という驚きだった。清…

Isabelle Antena: Sous Influences (2017) イケずのジャズファンのようなことは

甲田益也子の近作を聴いて、同世代にも係わらずそのお達者ぶりと、1980年代後半の空気、のようなものを未だ纏った感じ、が楽しかった。 そのころというと、BGM代わりにイザベル・アンテナのレコードを良く聴いたなあ、と思い出した。 モリ川さんから 、近作…

Dip in the pool (甲田益也子, 木村達司): Highwire walker (2015) 今日のBGM

昨年買った音楽ガイド本で一番面白くて、一番フィットしたのはコレ。 1980年代に入って暫くしたら、近藤IMAや橋本一子などなどが気になった、という性行にピッタリ。数多くある(に違いない)「聴き洩らし」のエンサイクロペディアなのだ。 そのなかで取り上…

Shelly Manne: Modern Jazz Performances Of Songs From My Fair Lady(1956) アンドレ・プレヴィンのこと

今年2/28にアンドレ・プレヴィンが亡くなった、89歳。合掌。 ボクにとってもプレヴィンは、マンのMy fair lady。これは随分聴いた。海外に出張した折にレコード屋に入ると、これまた実によく見かけた。売れたようである。二束三文でモノラル・オリジナルが入…

Wayne Shorter: Atlantis (1985)  ウェザー・リポートの後

1980年当時、人気絶頂だったウェザー・リポートをよく聴いていた。しかし、それも8:30あたりまでで、Black Marketあたりが頂点だと思った。ジャコ・パストリアスが嫌いだった、ということではなくて、ウェイン・ショーターの存在感のようなものが、アルバム…

Wayne Shorter: Introducing Wayne Shorter (1959) 薄味のアルバム

ジャズを聴きはじめた40年前、気に入った奏者は何人か居たのだが、その一人がウェイン・ショーター。ミルトン・ナシメントとのNative Dancerにやられた、のだ、 勿論、ミルトンから拓けたMPBへの路が素晴らしいものであった訳だけど、同時にショーターのソプ…

(ECM1825) András Schiff: J. S. Bach/Goldberg Variations(2001) 典型的なECMの音ではなく

過去、シフのアルバム(バルトークだったと思う)を聴いてピンとこなかったので、聴かなかった奏者。一昨年くらいSちゃんに教えてもらって聴くと、実に甘露。コンサートの収録らしいが、そんな空気感はなく、緻密に音が入っている、そして一音一音が粒立ち、…

Paul Bley: Zen Palace (1993) スワローが柔らかくビートを刻んだ時のピアノのポップ感が

プロデュースは、元トリオ・レコードの稲岡氏。菊地雅章の旧作などとともに、最近再発され入手。このメンバーは、このアルバムだけだそうで意外。カーラ・ブレイやゲイリー・ピーコック含め、何となくお友達(?)グループのように思っていたから。 聴いてみ…

武満徹の宇宙(2006) 加藤訓子が演奏する打楽器の曲を聴く

武満徹の曲集、ピアノ曲が中心、を随分聴いた時期がある。調べてみると7年位前。随分時間が経ったような気がする。 加藤訓子が武満曲を演奏しているアルバムの存在を知り、入手。アマゾンでは馬鹿高いが、普通の価格で入手。東京オペラシティ コンサートホ…

(ECM 2613) David Torn, Tim Berne, Ches Smith: Sun Of Goldfinger (2015, 2018) 冷たい昂奮

先日に続き、トーンのアルバム。 前作であるOnly skyの音世界に、バーン、スミスも溶け込んでいる。いや、溶けてはなくて、様々な方角に鋭い切っ先を向けているような感じ。予定調和的な次元ではないのだけど、上位層で構造化(作曲行為)がしっかりされてい…

The Nat King Cole Trio: The Complete Capitol Transcription Sessions(1944-49) 古き良き、なんて云う古さを感じない

昨夜のお供。心静かに就寝するときには、というアルバム。 ナット・キング・コール・トリオは好きで、ピアノ、ギター、ベースのピアノ・トリオは気持ち良い。ということでspotifyを探したら「完全盤」がでてきた。どうもストリーム/ダウンロードのみのアルバ…

(ECM 2433) David Torn: Only Sky (2014) 意識と無意識の境界にあるような時間に

ギターとウードのソロ。全編、環境音楽的な浮遊する世界であるが、そのなかで弦の歪みのようなものが造る「変調」のようなものに惹かれる。フリーキーな音、インプロ的な無調を、音空間に閉じ込め、音響的な処理でECM的な印象そのものに。それも本来的な好み…

spotifyの使い方として、これはいい(アルバムラジオ)

以前からspotifyの自動選曲?の面白さ、に気がついている。聴きたいアルバムが終わった後、これが好みでしょう、とお節介に選んで流してくれるのだけど、案外、ツボにはまる。いつだったか、金沢の食べ物ブログの帝王、いや女王であるスカタンちゃん(ふりむ…

Keith Jarrett: The Mourning Of A Star (1971)

名盤でも何でもないが、好きなアルバムだ。 キース・ジャレットの可能性が詰まったアルバムだなあ、と思う。26歳の奔放な彼。確かに星の煌めき、星夜のときめきのようなものを音にしようと奮闘している。 この後10年ちょっとで、ソロと(スタンダードの)ト…

Laurie Anderson, Kronos Quartet: Landfall (2014) ミニマル、ではないのだけど

今朝は4時頃に目覚めた。それから覚醒。夜明け前にこのアルバムを聴いていた。ローリー・アンダーソンとクロノス・カルテット。 2012年にニューヨークに上陸し、大きな高潮被害を与えたハリケーンに関するアンダーソンの楽曲集。2014年に収録されて、昨年発…

須川崇志トリオ@飛騨・古川: 解体されたような音の集合体が

昨年のアルバムで強い印象を残した本田珠也のIctus。そのIctusトリオのライヴが飛騨・高山であった。逡巡して行かなかったことが澱のように気持ちの底に残っている。そのIctusから1年後、Ictusのメンバーである須川崇志のOutgrowingが出た。これもまた強烈…

蓮見令麻: Abiding Dawn (2018-19) 超ジャンル的で浮遊する音の芯

寝ていると、身体的には疲れることはないので、眠りが不確かな感覚になる。3時間ほど眠って、2時間ほど覚めて、また3時間くらい寝る。覚めている時間は本を読んでいる。そして眠気が蘇るまで低い音で音楽を聴く。ゆっくりとフェードアウトしていく意識と…

廣木光一、渋谷毅: Águas De Maio 五月の雨(2018) 柔らかく、ほのかに暖かな世界

昨年の発表当初から欲しかったアルバム。愚図愚図しているうちに今になった。詳しくは、廣木光一サイトに述べられている。また購入もこちらから: 予想に違わないボッサ・ノヴァ風日本のジャズ味が薄くついたような印象のアルバム。そう思って上記サイトの廣…

Richard Wyands: Then, Here And Now (1978) 中量級ピアニストの良さ

ロイ・ヘインズのアルバムでのピアノ奏者。知らない奏者だったが、いやなか好み。こんな感じの中量級のピアノは好きだなあ。軽量級のようにチャラっとしていないし、重量級のような思念もない、ヒュー・ローソンやヒルトン・ルイズなんかと同じカテゴリ。 林…

橋本一子:水の中のボッサ・ノーヴァ (1994) こんな時には

今日の音楽は、橋本一子 水の中のボッサ・ノーヴァ。 日本語の歌詞がやや違和感があるが、こんな時には沁みる。 アンダーウォーター ‐ 水の中のボッサ・ノーヴァ アーティスト: 橋本一子 出版社/メーカー: Aeolus 発売日: 1994/11/01 メディア: CD この商品…

降雪後の渓流

今日は年度末の代休消化で休みに。再び、手取川の支流に。 昨日の降雪、今朝の冷え込みで山が真っ白に凍っていた。すっかり気分が出て、愉しかったなあ。気温2度だったので寒かったが、それがこの季節なんだよね。 釣っている最中にも、少し雪が降り、良かっ…

佐藤允彦:Palladium

(表ジャケット) (裏ジャケット) 佐藤允彦:Palladium(1969, 東芝)A1. Opening A2. MichelleA3. Der Zweig Von SalzburgB1. PalladiumB2. Scrollin'B3. Closing佐藤允彦(p), 荒川康男(b), 富樫雅彦(ds, ring) Cover art: Michihiro KimuraArt director: S…