K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

1974

(ECM1060) Ralph Towner: Solstice (1974) 1年経って聴き直し

1年経って聴き直したが、印象は変わっていない。 ECM1061、ECM1062の前哨戦になっている、ことがわかった。メンバーはヴェーバーやクリステンセンだけど、ECMらしいビートの在り方、が冒頭からキマっていて、ECM1061、ECM1062への太いつながりを感じた。---…

Karin Krog: We Could Be Flying (1974) another side of Steve Kuhn

昨日に続きのような、another side of Steve Kuhn。 1970年代のジャズ・ロック・アルバム。北欧歌手の謳い文句である「静謐な空気感」は微塵もない。ガチャガチャ。カーラの「ブルースをそっと歌って」も、そっと歌っていない。なんか美空ひばりを聴いている…

(ECM1058) Steve Kuhn: Ecstasy (1974) ピアノ職人の技

ECMの実りある1974年の録音も終盤になってきた。前作のTranceと同時期の録音。ただし、Tranceは米国録音、こちらはオスロ。やはり、音はこちらのほうが遙かに美しい。 アルバムのタイトルが Ecstasy。前作のTranceといい、日本の某レーベルのエロ・ジャケッ…

(ECM1057) Bill Connors:Theme To The Gaurdian (1974) タウナー的音を狙うのだけど

久々にECMのレコードを取り出して聴きはじめた。ECM聴きで触発された感覚のままに、いろいろ聴いて歩くような狩猟採集民、のような彷徨の日々、だと思う。 1974年前半に米国で収録されたものが、ジャズに振り込んだ作品群ならば、1974年に欧州で収録されたも…

(ECM1056)Ralph Towner, Gary Burton: Matchbook (1974) 時間が伸びやかに広がる感覚

針を下ろした瞬間に惹き込まれた。強い力。それは音、ではない。針の先が捉えたスタディオの空気。張り詰めていて、そして静寂。タウナーの作り出す音は、間違いなくECMの音場そのもの。ここ数作、米国録音の米国奏者を聴き続け、違和感が拭えない部分があっ…

(ECM1055) Gary Burton, Steve Swallow: Hotel Hello(1974) 夢想、のようなものを喚起するような

ボクは何処にも行けるし、何処にも行っていない。そんな独白を誘う。ジャケットの強い印象は、音をまた違う心象に連れて行く。 大学の英語の授業で読んだアーサー・ミラーの随想、ニュー・イングランドへの強いノスタルジイを淡い写真とともに。消え去ろうと…

(ECM1054) Richard Beirach: Eon (1974)生真面目な「ジャズの伝道者」とECMのマッチング

バイラークとECMについては、ECMに関する邦著で語られた件で、ある種の意識がついてまわる。が、そこはともかく聴いてみる。 バイラークは決して嫌いなピアノ奏者じゃない、むしろ「とても好きなタイプ」の筈。しかし、ターンテーブルに彼のレコードを置くこ…

(ECM1053) Michael Naura: Vanessa (1974) アイヒャーではないECM

一切、アイヒャーのcreditがないECM。初期のテープ買いはともかく、本格的に立ち上がった後では、はじめてのアイヒャーではないECM。producerはリーダのナオラ。録音日時や録音技師のcreditもなく、REMIXはおなじみMartin Wieland。だから音としては、しっか…

(ECM1052) Steve Kuhn: Trance (1974) 直球のジャズのスピード感に溢れている

既に5年前に投稿していた。少し書き足す。 聴き直したが、いいアルバムだ、1970年代のジャズとして。1974年のジャレットやバートンの吹き込みは、欧州の美学と米国の美学の「Fusion」をジャズというプラットフォームに描き出した習作、すなわちECMそのもの…

(ECM1051) The Gary Burton Quintet with Eberhard Weber : Ring (1974) 知っているECMの空気の中へ

1974年の7月後半、西独での録音。 キース、ガルバレクと2枚吹き込んだ後、6月から7月にかけて米国で3枚、そして西独。巷では、ハンコックやマイルスのファンクが唸りを上げていた頃。そんななかで吹き込まれた、このアルバムが缶詰のように保っている空…

(ECM1049) Keith Jarrett /Jan Garbarek: Luminessence (1974) ガルバレクのwith strings

1974年の5月から6月のニューヨーク録音シリーズの前に吹き込まれたアルバム。キースは作曲だけで、ピアノを弾いていないので注意! 喰わず嫌い。どうもキース関連の創作音楽っぽいのは苦手。フォークもどき、クラシックもどきのようで、うーんと首を傾げて…

Andrew White: Passion Flower (1974) 気にして35年、仙台でついに買ったが良かった

アンドリュー・ホワイトという奏者を知っているだろうか? 一番有名な参加盤はウェザー・リポートのSweetnighter(第2作)にEnglish Horn (!)とベース(主役はヴィトウス)で参加している。主要メンバーじゃないから、知られざる奏者。その彼は、自身のリーダ…

渋谷毅: Dream (1974) 変わらぬ眼差し (仙台土産)

仙台に出かけると、必ず寄るレコード屋がある。南町通と一番町の通りの交点にあるvol. 1。そんなに沢山はないのだけど、あるべきものがあるような、ちょいと気になるレコードがぽつぽつある。今回は、渋谷毅のドリームを見つけて、小躍り。 彼の最初のアルバ…

Bill Evans:Intuition (1974) 未だ解かれず

年度の後半を迎え、のんびりとした気分がトンだ。そんな訳で遅くまで働く日々。 Riversideのモノラル・プレスのレコード盤を揃え,なんとか「LP欲しいの縛り」は解けつつあるのだけど,「Bill Evansの罠」には落ちたまま。脚に縛り付けられた鎖は,未だ解か…

Joni Mitchell: Court and Spark

何回も何回も繰り返した僅か37分足らず。とても短く感じた。中身は素晴らしいに決まっているから語らない。ジョニの若い声、とても完成度の高いバックバ ンド。とても聴かせる。その後のShadows & Lightのジャズ演奏者(Pat Metheny (g), Jaco Pastorius (b)…

Martha Argerich: Ravel- Gaspard De La Nuit, Sonatine, etc

昨日はLPレコード:The Duke plays Ellingtonを聴いていた,今日はディジタル音源だけど,古い録音.知人から紹介されたMartha Argerich演奏のRavel集. Gaspard De La Nuit,  Sonatineなどなど1974年の演奏.右手が紡ぐ粒状の音の外形が綺麗に浮かび上がる…

Charles Mingus: Mingus at Carnegie Hall (1974) まだ寒い5月だから暑苦しい一枚

僕はGeorge Adamsの咆吼はとても気持ち良くて,熱心ではないけれど,見かけたら買うようにしている.その昔,TimelessのEarth Beamsが気に入ったから.もっとも日本製作のAmericaとか晩年の2枚は最低だったけど.

Lee Konitz: 日暮,蛙,蛍,そんな夏のはじめに聴きたくなったデュオの2枚

今日も,雲が垂れたあいまいな夕暮れを眺めて時間を過ごしている. 何を聴こうか考えるよりも,iPODで順不同に再生し,気に入ったものを取り上げると,今日はLee Konitz (as)のDuo.かつてCool派と云われたそうだが,夏のはじめに合うのは,寒いから?熱いか…

Pat Martino: Muse時代の3枚(1972〜1976)を聴いた

この時期のPat Martino のMuseの演奏は最高.今週,何とかExitとLiveを入手.まえから持っていたConsciousnesとあわせ,iPODで聞き続けている.(2009.7.8記)

(ECM1048) Paul Motian: Tribute (1974) もっとオーネットが知りたくなってきた

Paul Motian(perc), Carlos Ward(as), Sam Brown, Paul Metzke(g), Charlie Haden(b) Recorded May, 1974 at Generation Sound Studios, New York City

(ECM1047) John Abercrombie: Timeless (1974) 音楽が熱かった時代をEditionする

John Abercrombie(g), Jan Hammer(key), Jack DeJohnette(ds) Recorded June 21, 22, 1974 at Generation Sound Studios, New York

(ECM1046) Dave Liebman: Drum Ode (1974) 時代の音を素晴らしく昇華させた

Dave Liebman(ss, ts, fl), John Abercrombie(g), Richard Beirach(el-p), Gene Perla(b), Bob Moses, Jeff Williams(ds), Badal Roy, Collin Walcott(tabla), Barry Altschul, Steve Sattan, Ray Armando, Patato Valdez(perc), Eleana Steinberg(vo) Recor…

(ECM1045) Terje Rypdal: Whenever I Seem To Be Far Away (1974) 北欧の空気感

Terje Rypdal(g), Mladen Gutesha(cond), Südfunk Symphony Orchestra, Christian Hedrich(viola), Helmut Geiger(vln) Recorded 1974 in Oslo (A1, A2) and Ludwigsburg (B).

(ECM1043) Bennie Maupin: The Jewel In The Lotus (1974) ECMのMwandishiバンド

Bennie Maupin(reeds, voice, Glockenspiel), Charles Sullivan(tp on A2, A3), Herbie Hancock(p), Buster Williams(b), Frederick Waits, Billy Hart(ds), Bill Summers(perc) Recorded March 1974 at The Record Plant, New York City.