K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

消えいく機能という美しさ

音楽を聴いている、と同時に、そのための手続きや、道具への愛着が積み重なっていく。 そして、その機能そのもの、の美しさに気がついた。長い間、技術者をやっていると、蓄積された人の営みの結晶たる「もの」そのものが、消えようするときに発するオウラの…

梅雨の宵と暁、淡い紅のひかり

腫れた夕暮れであってもひかりは強くない。やがて訪れる闇のような雲が、力弱く広がる透明な空間に流れていく。淡い紅のひかり、になんとなく寂しさでもなく、されとて嬉しさでもない、なんにもない空虚な何かを感じた。 暁の前から眼が醒めた。闇の間、仕舞…

William Claxton: Jazz Scene (2001) 見る銘盤

amazonの古本をみていたら、思いのほか安値で出ていた。カヴァーなし。 ジャズを聴くという行為にまとわりつく、奏者達が生み出すコンテクストへの魅了、も悪くない。音への酔い方を早める力があるからね。他人に語ると、つまらない蘊蓄になるだけどね。 咄…

刺激的で穏やかな日々

今、音楽を聴くことに集中していない。おおむね川に独り出ている。 北陸に来てもうすぐ5年なのだけど、梅雨の候の穏やかさ、過ごしやすさ、がとても好きだ。雨は少なく、晴れ間が多い。そして、店先には夏野菜がたっぷり並びはじめる。 今日は師匠衆に連れら…

今朝聴いている1枚

金沢らしからぬ晴天のもと、金沢らしい柔らかな光の朝。Steve Kuhn "Trans" (ECM, West Germany original press)キューン得意の耽美的な演奏ではあるが、今のECMと比べ躍動感があり、開放的な印象が強い1970年代の録音。

犀川・上菊橋:梅雨から初夏の夕暮れ

米国から帰って来て、滞った仕事もあり、また渓流への思いもあり、なにかしら気忙しい日々を過ごしていた。 ゆったりと過ごしたかったので、自転車で通勤することにした。犀川に降りて寺町台地を登って仕事に行き、寺町台地から犀川に降りて笠舞段丘を登って…

中平穂積: Jazz Giants 1961-2013 大好きなモダン・ジャズの墓碑銘

1981年の夏、大阪に住んでいたボクは欲しいLPレコードを買いに新宿、お茶の水へ出かけた。今と違い、新譜・旧譜の在庫が豊富なレコード屋に驚いたものだ。今もあまり変わらぬ気持ちで、東京までレコードを買いに行く自分に驚いてしまう。 その時、勿論、紀伊…

Central Parkで再び走る

ニューヨークに滞在するときはセントラル・パークを走る。摩天楼を横目に緑のなかを走る。案外強いアップダウンがあって、走ること、そのものがとても楽しめる。大好きなランニング・コース。1周約10km。最初に走ったのは2009年。今回は3回目。 東海岸への…

渓流釣り:とりあえず気持ちに区切り

先週の「朝練・夕練」(結局1週間足らずで4回入渓した!)の成果確認のため犀川上流に単独入渓。 先週来の雨のあと、金曜深夜に犀川ダムの放流があり、大増水(土曜日は入れなかった)。その引き水の後ということで大期待。明け方から昼まで釣りに没頭した。…

Donny Hathaway: Live At The Bitter End 1971 (1971) ニューヨークBleecker Recordsで買ったLP

今回のニューヨーク滞在中、レコード屋は2軒行った。前回楽しめたGeneration Records と、このレコードを買ったBleecker Records。実はDonny HathawayのLiveのレコード盤はGeneration Recordsで買った。竪町のレコード屋さんには「面白くない」、って云われ…

JET LAGはようやくお仕舞い

激しい雨の後、沢の流れは強いだろう。だから昨夜は呑んでいた。 この数日の激しい昂揚感はすこし治まり、朝まで眠ることができた。 この2週間の激しいJet Lagはようやくお仕舞い、のように思える。 夜明けから随分と時間が経っていた。 曇天のもと、緑映え…

渓流で過ごす時間

滞米中も気になって仕方がなかった。 昔、沢登りで何回か丹沢には行っているのだけど、それ以来の入渓。沢の気持ちよさをすっかり思い出してしまった。しかも沢登りと違い、ゴム長を装着し、相応の深みまで徒渉し、沢を溯行する感覚に痺れてしまった。 とは…

Ton-That Tiet: L'odeur De La Papaye Verte (1993) 眼に見えぬ映像

映画「青いパパイヤの香り」のサウンド・トラック。ニューヨーク・成田便で魅了され、DVDとサウンド・トラックを入手した。 就寝前に微睡みながら観ていると楽しい。筋書きなんか、どうでも良いような映画なので、眼が覚めた瞬間の映像を楽しめば良い。だん…

Billy Hart Quartet @Village Vanguard (June 6, 2014) 低温の熱いドラムが叩き出す音楽

Blue Noteの1st setのつぎはVillage Vanguardの2nd set。ニューヨーク・ジャズ事情に疎いボクにとってはハシゴが容易な近所なので助かる。しかも、最近、ECMで快調なビリー・ハートである。メルドーで少しコケた感があったので、期待が高まるが、実はそれ程…

Brad Mehldau & Christian McBride@Blue Note (June 6, 2014) 1+1=2あるいは2+2=4

今回のニューヨーク滞在の大きな目的の一つは、金曜日の晩にBlue Noteであるアンドレ・プレヴィンとクリスチャン・マックブライドのデュオ。10年位前の同じくニューヨーク・Jazz Standardsでのライヴでプレヴィンは、ヘンクのベースとのデュオで美しく、楽し…

青いパパイヤの香り(ヴェトナム、1993) 機内での驚くべき出会い

ニューヨークから成田に向かう期中で、この映画をはじめて見た。小さく貧相な画面で、しかも静音機能のないヘッドフォンで聴く、騒音の中での映画なのだけど、熱帯の色彩感を孕んだ画の素晴らしさ、熱帯の鳥や虫の喧噪が紡ぐ静寂な空間のなかで、2時間弱を…

マンハッタンへ再び

金曜日、フロリダ・タンパから飛び立ち、ニュー・ジャージー・ニューアーク空港に降り立った。 空港列車は保守のため運休。代行バスでニューアークの駅へ。さらにNJ transitという鉄道でマンハッタンへ。車窓から見える摩天楼にどきどきしながら、揺られる感…

フロリダ・タンパ:TECO Lineに乗って「Tampa Bay Brewing Company」へ

今日はタンパの最終日。美味しいモノとか賑やかな店がダウンタウンにない素晴らしい環境。お仕舞いで嬉しいが、一年ぶりに会い知己も多く、何となく寂しい。しかしダメなものを食べ続けると、胃袋がささくれる感覚ってはじめて感じた。参った。 という訳で仕…

Florida・Tampa「Thai Thani」寂れたリゾート地で

この地は流行っていない、らしい。夜になると、ヒトがいない。繁華街もない。仕事先の周辺のホテルの皆、籠もっている。 昼はハンバーガーくらいしかない。紙を混ぜたようなマズいハンバーガーは罰ゲームのような昼食。やれやれ。 ということで、友人達とタ…

サッカー 日本・コスタリカ戦@Tampa

誘ってくれるヒトがいて、仕事の後に郊外の競技場へ。 ビールとホットドッグ(ハンバーガーの100倍くらい好きだ)で観戦。コスタリカは近いこともあって、かなり多くのヒスパニック系観客が。日本系観客はマイナリティ。されど雰囲気は悪くなく、おおらかな…

Tampaで走る

今回はランニングシューズを持参。フロリダの暑気を心配していたのでけど、海沿いなのでそれほどでもない。しのぎやすい。 海岸・川沿いに散歩道・River Walkがある。日曜日の会議が終わって、友人達と食事に出かける空き時間に走ってみた。 走っているとき…

Florida・Tampa:日本からの最果て感

梅雨前の金沢は「黄金の時間」だと、いつも思っている。だから、この時期に金沢を離れるのは痛い感覚。 1997年からだから、かれこれ17年、この季節に米国に来ている。金沢に来てから、苦痛になってきている。 今回はフロリダ中部のタンパ。海洋リゾート地の…

Joe Lovano's Village Rhythms Band @ Blue Note: 苦手な奏者だけど

日本を出るまで忙しく、この日の準備はできていなかった。だから、空席があることを確認し、Blue Noteに向かった。 ジョー・ロバーノって、確かはじめて聴いたのはMotianのバンドか何かで、フリーゼルと一緒。何だかキレの悪い、うねうねした感じのサックス…