K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Jazz (drums)

富樫雅彦, 高柳昌行: Pulsation (1983) レコードを入手した

昨日届いたCD。これの他、数枚、レコード入手の長期戦を決め、CDを入手した。最近の再発CDは音が良く、高価なレコードに固執することもなかろう、という判断。キング・レコードのPaddle Wheel盤のディスク・ユニオン(DIW)からの再発、TBMの再発はそのような…

ZEK3(本田珠也、清水くるみ、米木康志)@もっきりや

もっきりやでは、本田珠也のトリオ・ZEK3。あと清水くるみ(p)、米木康志(b)。 2年近く前、ケイ赤城トリオで初めて本田珠也を聴いて、そのドラミングに度肝を抜かれた。その後、昨年は大口トリオ。 すっかり、その迫力、は勿論なのだけど、緩急のキレが快感。…

Evan Parker, Mark Nauseef , Toma Gouband: As The Wind (2012) 本当にこのアルバムは素晴らしい

1980年頃のフリージャズへの入り口は「いんたーぷれい8」の山下洋輔。さらにimprovised musicへの入り口は同志社大学での近藤等則とトリスタン・ホンジンガーのデュオ。ICPオーケストラを聴いたあたりが、気持ちのなかのピークだった。その頃、エヴァン・パ…

本田珠也: Second Country(2017) これぞジャズの熱気、のようなもの

ディスクユニオンのサイトで見かけて、通販で購入したレコード。2年くらい前に、もっきりやで聴いたケイ赤城トリオで本田珠也をはじめて聴いて、気になっていた。 ライナーノートが本人の文章で、様々なジャンルとの交わりで希釈化した部分もある昨今のジャ…

富樫雅彦: Rings(1975) 打楽器の響きの美しさ

ゆっくりと富樫雅彦のレコードを集めている。実は、このアルバムの存在は長く知らなかった。打楽器のソロ、としては後年のFaces of percussionsが最初、と思っていた。1970年代末、コロンビアとかビクターの日本盤は店頭で見かけたら購入していたから。だか…

藤掛正隆, 早川岳晴, 山本精一: 弱虫/from Gakeppuchi Session(2008) お盆の朝からこんなの聴くなんて

お盆の朝からこんなの聴くなんて、どうかしているように思えるが、予想通り良い。藤掛正隆の直球のビートをとても気に入って、続けて聴いている。ベースが早川岳晴なんで、期待しないほうが無理。 1980年頃のオーネット一派、ウルマー、タクマ、シャノン・ジ…

Misha Mengelberg, 豊住芳三郎: 逍遥遊 (1994) 距離の伸縮

最近、このアルバムの存在を知って、入手。ミシャがこの世から去って、遅すぎる個人的なブーム。 ピアノとドラムとのデュオというと、真っ先にハンとのデュオを想起する訳なのだけど、その違いが面白いアルバム。 ICPの2人はとてもリラックスした雰囲気のな…

Tyshawn Sorey: Verisimilitude (2017) 確かにECMの先に広がる風景を見ているようだ

静寂のなかにある。そしてゆっくりと揺らぐ音の様相は、思いの外複雑で、音全体の骨格のようなものを見せない。といって、遠心力を孕んだ音ではなく、音の粒ひとつひとつがブラウン運動のような不規則と思わせるような動きをみせながら、漂う音の翳のような…

加藤崇之, 藤掛正隆: ten-shi(2014) たのしい

こういった音楽の面白さ、をコトバにすることができないのだけど、いや、コトバにした瞬間に混沌とした音の塊の面白さが変質してしまうような、そんな気もする。 ボクのなかで強く惹かれているのは藤掛正隆。ドラムで強いビートを付与しているのだけど、案外…

富樫雅彦: Passing In The Silence (1993) 何もない世界の縁が直ぐそこに迫るような

富樫雅彦のソロ。この作品のおよそ10年前のThe face of percussionに続く作品。 富樫雅彦のアルバムは無理せずゆっくり集めていて、先日、安値で入手した。 ソロでの富樫は、ビートやドライヴ、グルーヴといったジャズに対する遠心力を最大限働かせているよ…

Akmee: Neptun (2016) ピアノとドラムが現代的な匂い、を流し込むような瞬間

田中鮎美のレコードと一緒に届いた。クリスチャンからのギフト。 メタ・フリーミュージック的な、現代音楽との融解した境界線を狙うが如きNakama recordsの作品のなかで、異色なほどジャズ的。これが実に美味しい。先日、ジェイソン・モランのアルバムで書い…

Misha Mengelberg, Han Bennink: Einepartietischtennis (1974) ライヴにより近い、奏者達との時間の共有感覚

レコードを入手した。予想以上に楽しい。ミシャとベニンクが作る音場のなかに放りこまれる。確かに、ベニンクは床を叩いたり、鋏をシャカシャカやっている。それを楽しむ観客の吐息を感じる。 弾けるようなタイム感覚、それが彼らの魅力。音の微係数がより明…

Francisco Mora Catlett: World trade music (1999) 「ちょっと古くさい」作曲の良さ

適当にかき集めたクレイグ・ティボーンが入ったアルバムの一つ。 1999年のフランシスコ・モラ・カトレットのアルバム。このドラマーは初めて聴く。調べるとサン・ラ・アーケストラの人、だそうだ。やや軽い感じのドラマーで、悪くはないが印象は薄いかなあ。…

Max Roach and Cecil Taylor: Historic Concerts (1979) マッチョな二人

(Twitterのセシル・テイラー呟きを聴いて、つい聴いてしまった) このアルバムの販売がアナウンスされたとき、驚いたものだ。バップ初期からの偉大なドラマー(そして過去の人、の印象も)と、フリー・ジャズの大御所との共演。噛み合わせがあるのか、と。…

Chico Hamilton Quintet In Hi-Fi (1954-56) ジム・ホールに意識を向けると

ゆるゆるとドルフィーのレコードを集めている。所謂名盤はそこそこ集めたので、チコ・ハミルトン時代が気になっている。というわけでレコード棚を覗くと、あまり出ているようでもない。代わりにバディ・コレットが入っているオリジナルか初期のプレスが「安…

富樫雅彦、高木元輝:アイソレーション(1969) 「残念」だったのは

何とかレコードを入手した。富樫雅彦の四股が自在なときのアルバムを、しかるべき音圧で聴きたかった、のだ。 実は後年の演奏との違いはあまり感じなかった。勿論、バスドラムが鳴ったり、自由な四股から発せられる音は後年と同じじゃない。しかし、これを聴…

Tony Williams: The Joy Of Flying (1979) 到達点

今になって聴くと、しんどいなあ1979年頃のトニー・ウィリアムス。当時も、1960年代の新星としての名声が殆どで、1970年代のアルバム。楽曲はあまり話題にならなかた、と思う。だから、ハンコックとのVSOPでの存在感が圧倒的で、という状態。 このアルバムも…

高橋知己, Elvin Jones : Another Soil (1980) あの時代

何とも凄い時代。音楽産業がバブルの時代。ジャズ奏者のアルバムがメジャーから溢れるように出て、しかも海外の有名奏者も加わる。1980年。ボクがジャズを聴きはじめた頃はそんな時代。ジャズ・フェスティバルは全国に乱立し、何処も数千人の入場者。だから…

William Parker and Hamid Drake: Summer Snow Volume 2 (2006) 自由に音を楽しむ

昼休みの音楽。田中啓文さんの本で知った2人。ばっちり好み。アフリカ回帰の素朴なライヴ。自由に音を楽しむ、それがFree musicだよね、という内容。apple musicで楽しめるのがうれしい。

Art Blakey & The Jazz Messengers: Anthenagin (1973) ウッディ・ショウの魅力

アート・ブレイキーはあんまり好みでもなくて、例外的にメッセンジャーズ結成前のバードランドをタマに聴くくらい。これも、ホレス・シルバーのピアノの躍動感、クリフォード・ブラウンのトランペットの端正なハイ・ノートに惹かれているような感じかなあ。…

Organic Grooves: Black Cherry (2002) ウィリアム・パーカーとハミッド・ドレークをサンプリング

昨日のアルバムをapple musicで聴いていたら、これを推奨された。ウィリアム・パーカーとハミッド・ドレークのデュオをオーガニック・グルーヴというユニットがサンプリングしたアルバム。 まさに元トラックの「身体性」のような部分を抜き取ったような音で…

William Parker & Hamid Drake: Piercing The Veil (2001) 乾いたドン・チェリーのような

早速、田中啓文書をバイブル的に聴きはじめることにした。加齢しても謙虚で素直な性格(の積もり)。といっても、ここは大阪のホテル。仕方がないので、愛用のMacBook Airでapple music。 まずは前から気になっていた、ウィリアム・パーカーをチェック。本に…

日野元彦: TOKO at Menu in jazz (1975) 黒く白く

何とも時代の空気、の塊のアルバム。録音がすかっとしないのは、楽器の多くがエフェクター過多、の時代の空気そのもの。何せ、アガルタや洪水、RTFにマハヴィシュヌ、そしてミステリアス・トラヴェラーの時代なのだ。結構真っ直ぐな奏者達が、そのような「音…

(ECM2474) Ches Smith: The Bell (2015) 現代音楽的な音響とジャズ的な躍動が交叉するような驚き

実は秋頃からとても忙しい。金沢では、引き籠もりながら、山に登ったり、走ったり、釣りをしたり、音楽を聴いたり、そんな生活のために来た筈なのだけど、どうも違ってきた。まずい。忙しくして年収が増える訳でもないので、なおのこと困る。どうしたものだ…

Paul Motian: Europe (2000) 今、改めてモチアンを

今、改めてモチアンを聴いいている。ヴィレッジ・ヴァンガードでElectric BeBop Bandを聴いた後、このアルバムを買った2000年過ぎ、聴き直した2011年頃と比べ、上手く書けないのだけど、このアルバムの「意味」のようなものが、より見えてきたような気がする…

Airto Moreira: Free (1972) キース・ジャレットとジョージ・ベンソンの共演

これも、先日のお茶の水での購入盤。日本盤だけど500円くらいだったので、迷わず購入。ヴァン・ゲルダー録音だし、少し米盤待ちにしようか、迷ったけど。 このアルバムは1980年頃から気になっていたので、36年越しの迷い、にフタをした。珍盤でも名盤でもな…

(ECM 2488) Jack DeJohnette: In Movement (2015)  レコードでも聴く・米国録音のほうが

実はこの数週間で何枚かECMの新譜を入手し、気に入って聴いているのだけど、文章にしようという気になれない。何故だろうか。 1970年代初頭の日本のジャズ、特にアヴァンギャルドの系統を聴いていると、熱気、毒気に溢れていて、どこか人の調性を狂わせるも…

(ECM2430) Andrew Cyrille: The Declaration Of Musical Independence (2014) 今、を生きるシリル

寒かった東北の出張から、暖かい金沢に帰って、ほっとしている。長旅で疲れているのだけど、帰途、ふっと聴いたアンドリュウ・シリルの新譜の素晴らしさ、に気持ちが一気に開いた。帰宅後、ワインを呑みながら、しっかり聴いている。 何が素晴らしいか、とい…

加古隆 , 高木元輝, 豊住芳三郎: 新海(1976)豊住芳三郎のドラム

1976年の名古屋Lovelyでのライヴ。メンバー、内容共に、このアルバムの存在を知ったときからドキドキし、聴きたくなった。 このような「発掘盤」のアルバムは多々あれど、多くはカセットレコーダによる私的な録音の発売であるため、演奏の良さと録音とのギャ…

Paul Bley with Masahiko Togashi: Echo (1999) 威嚇して終わった勝負であっても

随分前から、この録音の存在を知ったが、SACDという高分解能オーディオということなので、そもそもCDとして再生できるのか、またPCオーディオとして再生するので、コピーガードなどのややこしい処置はどうなのか、などなど気になって手が出なかった。最近に…