K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Jazz: 富樫雅彦

翠川敬基: 緑色革命/Grüne Revolution (1976) 弦のキシミ

高柳のギターと翠川のチェロ、二台の弦楽器で音を出しているのだけど、二人で音を足して前に出て行くような感覚でなく、引きながら下がっていくような不思議な感覚。ブラックホールの吸い込まれていくようなエネルギーを見るような、である。だから、抜き取…

富樫雅彦:The Ballad/ My Favorite (1981) 美しいアルバム

とにかく美しいアルバム。前にも書いたが、この時期のキング・レコードには素晴らしい録音が多い。ECMほど残響を加えず、しかし同じくらい奥行きのある音を造っている。 そして、何より富樫雅彦、佐藤允彦の音が美しい。佐藤允彦のピアノがスタンダードをや…

先週末に届いていたCD/LPレコード

金沢に帰ったらポストのなかには不在時の配達票。仕方がないので深夜の郵便局まで。郵便はそのように受け取れるし、ヤマトのセンターは近所なので受け取りは容易。サガワはセンターは遠いし、やや配達に難があるので、受け取りに苦労する。 届いていたのは高…

富樫雅彦: Contrast (1982) ジャズ・ドラマーという根

これはライヴ録音で、ピーター・コヴァルト(b)、ロウレン・ニュートン(voice)の三人による即興的な演奏。 昨日と同じく80年代はじめのキング・レコードだけど、あまり録音の良さは感じない。ライヴだからか。 ボクは近藤等則との共演で聴いたピーター・コ…

富樫雅彦:Spiritual Moments (1981)録音の良さ、演奏の良さ、と裏腹に

昨日書いたが、アナログ末期のレコードの良さ、には堪らないものがある。針を下ろすと、音空間が眼前に現れ、第一音がはじまるまでの微かなトレース音にどきどきする。そして、強い音圧、鮮やかな色彩感、そして奏者との近い距離、を堪能できる録音が多い。…

富樫雅彦、高橋悠治:Twilight (1976) 胡志明という人物の漢詩を題材に

昨日届いたLPレコード。当時、デンオン(デノンじゃない)と呼ばれたレーベルのアルバムは音が綺麗 胡志明という人物、がいた。1969年に逝去している。胡という名前から、西域に起源をもつ漢人かとも思えるがそうでない。越南人である。カタカナで書くと、ホ…

足立正生:略称・連続射殺魔(1969) 富樫雅彦・高木元輝の音

youtubeにアーカイブされている映像と音。 副島さんの本を読んで知った映画。ボクの世代には忘れられない名前、永山則夫、の映画。ただし、登場人物なし、彼が見て感じたであろう風景を延々と撮影し、並べたもの。そこには昭和40年代に日本、ボクにとって懐…

銀巴里セッション(1963)そして日本のジャズ(最近、届いたレコード)

先週届いた3枚のレコードは全て、日本のジャズだった。 元来、日本のジャズは好きで、30年前、随分とレコードを買った。亡父からは、そんなの聴いて面白いか、と云われたけど。要は、本場を聴け、的な感覚だった。1970年代のお仕舞い。だけど日本のジャズは…

富樫雅彦、佐藤允彦: 双晶(1973) 空間を隈取る、そしてKairos

久しぶりに双晶をターン・テーブルに載せる。無音が長いように感じる。微かなレコード針の追跡音の中なら、奏者達の音群が静かに湧き出す。 角突き合わせるようなインタープレイではなく、佐藤のピアノを真ん中に据え、広く空間を隈取るような富樫の打楽器。…

富樫雅彦, Steve Lacy, 高橋悠治: 水牛@Egg Farm (2000) 始原的な身体性そして東洋的なもの

このアルバムは、小松空港までのクルマのなかで何回も聴いていた。 そして富樫雅彦が叩き出す、揺動、のようなものを考えていた。 故事が頭をよぎった。日本の武士が西洋軍学を導入したとき、体の使い方が全く違っていて、西洋式に走ることからはじめた、的…

Gary Peacock: Voices (1971) 電気・ピアノとアコウスティック・ピアノでの彼の音の流れの違い

当時、CBSソニーから出た日本滞在中のGary Peacockのアルバム2枚のうち1枚。もう一枚はEastward。より、Peacockのベースに焦点をしっかり合わせたアルバム。滞日中、6枚(だったかな)の日本制作のアルバムにcreditされているそうだけど、あとの4枚は日…

加古隆:Legend of the sea-myself(1977)現代音楽とのフュージョン

日本の音楽シーンが大きく飛翔したように思える1970年代。何か大きなエネルギーが社会にあって、1980年までに頂点を迎え、バブル崩壊の頃にそのようなヴェクトルは雲散霧消したのではないか。1960年代の反米闘争たる反安保から全共闘運動の過激化と挫折、経…

富樫雅彦,菊地雅章:Concerto (1991) 恐ろしく、素晴らしく、美しい

ボクが日本のジャズを熱心に聴いていたのは大学生の頃。随分、レコードも入手した。30年以上前のこと。 当時は街中にレコード屋が何軒もあって(大阪の中都市だけど)、そこで日本のジャズも結構売っていた。今からじゃ考えられない昭和の頃。気に入っていた…

菊地雅章: Poesy (1971) 吸い込まれるような音の奥行き・そして音だけ残った

昨日遅く、訃報を知った。彼は生きているときから、遠くにいる人であった、ように思う。 後ろ姿すら見えない、遠くにいる人から、まれに贈られる音を享受してきた。 今、そして音だけ残った。 ボクは改めてスストとポエジーを聴いた。強いビート音楽と静謐な…

Richie Beirach・富樫雅彦: Kahuna (1978, Trio) 27分24秒の演奏会

正直に云うと、演奏の良し悪しが分からない。そんな指先で軽く紡ぐコトバで上手く表現ができない。 27分24秒の演奏会に座っていた、ような感覚。眼前で行われたピアノ・ソロが13分15秒、そして打楽器とのデュオが14分9秒。CDとかLPレコードといったオトの物…

昨日の猟盤(Disc Union Tokyo Jazz)小粒だけど、まあ

昨日は、小粒だけど、まあ、という感じだった。 Bill EvansはFantasy時代の未入手盤2枚。Riverside時代の大物もあったのだけど、高価で手が出なかった。チック・コリアとゲイリー・バートンの2枚は西独盤。Crystal Silenceは日本盤しかなかったので、嬉しい…

富樫雅彦,加古隆:Valencia (1980) 純度が高い失われた音

純度が高い失われた音、富樫雅彦がこの世を去って何年だろうか。1970年頃の佐藤允彦のアルバムで聴かせたキレのいいドラム。そして透明なシンバルワーク。その彼が両足の自由を失ってから録音した数々の打楽器奏者としての録音。ブラシ・ワークの繊細さにゾ…

佐藤允彦:Palladium (1969) 30年後に聴くと

随分長い間聴いていなかったこのレコードを久々に聴いてみた。 最近は「モダンジャズの名盤」を聴く日々で、ジャズが最も輝いていた時代(と云って差し支えないと思う)の音の勢いが凄い。さらに当時のプレスで聴くと距離感が縮まる感じがあって、脳天の先ま…

全日本レコードCDサマーカーニバル・金沢篇:あの頃に戻ってしまった夏

7月13日(金)〜16日(月・祝)に全日本レコードCDサマーカーニバル・金沢篇というイヴェントが金沢駅地下であった。