K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

Tim Berne: The Shell Game (2001) 21世紀のはじまりとともに

クレイグ・ティボーンが気になる、というより、彼を通した「今のジャズ」を切り取ってみたいという、気持ち。20世紀末、何となく閉塞されたようなジャズの状況が気になって、「新しい音」が知りたかった。一番参考になったのは、村井康司さんの本: 200CD 21…

残雪の源流域へ

思いの外、春が遅い金沢。肌寒い日が続く。そんな日には渓流に入りたい気持ちは沸かない。天気予報とにらめっこし、晴天が二日続く、そんなときの二日目を狙ってみた。水温上昇、を期待して。 夜明け頃、源流域はまだ氷点下から僅かに上なのだけど、日差しが…

Arto Lindsay: O Corpo Sutil: The Subtle Body (1996) 虚無的な距離感

これはもう麻薬的南米音楽の変種。ナナ・ヴァスコンセロス(参加!)やエグベルト・ジスモンチが奏でる世界、密林の奥から流れでる漆黒の音が微量だけど投入されている。 ボッサ・ノヴァは奏者と聴き手の音の近さ、と、曲が与える距離感の印象に大きな乖離が…

水緩まない渓流

3月の初旬は暖かく、第1週に20cmくらいの岩魚を釣ってご機嫌だった。その後、多忙で沢に入っていなかったが、なかなか気温が上がらず、水温も低いようだ。しかし暖冬で積雪も少なく、水量が少ない。状況はあまり良くない、のではないか。 日曜は近所の渓流…

寒の戻り、の東京で(ディスクユニオン・Jazz TOKYO)

今日の東京の天候は荒れ模様。気温は下がり、ミゾレ混じり。今週末は4月、なのに。寒い。早いフライトだったので、仕事まで少し時間があり、40分の時間制限で猟盤。ブラジル系を見逃した。残念。 Xanaduは割と好きだったレーベル。金色の発掘シリーズでタル…

名古屋へ

週末というのに、再び名古屋へ出張。意気が全くあがらない。

Ornette Coleman: The Shape Of Jazz To Come (1959) 音の格が違う、ということ

行きがかり上、これを聴かないとイケない。やはり最近入手したアトランティク盤ではあるが、1970年代の貧相な再発。まあ針を落としても、そんなに悪いとは思わないが。CPは高い。 The Shape Of Jazz To Comeの後に聴いてよかった。一発で、つまり最初の一音…

Ornette Coleman: Change Of The Century (1959) やっと少し楽しめた

これも最近入手した、安価なアトランティック盤なのだけど、スリーブなんかを見ると、1960年代はじめのプレス。殆どオリジナルに準ずる盤なのかもしれない。それが1000円前後とは、恐れ入った。音は自然な感じで、足しても、引いてもいないように思える。 案…

Lennie Tristano: Lennie Tristano (1955) 不穏な音の海に潜っていくような

高名でありながら、あまり聴いた、という話を聞かない奏者じゃなかろうか。そのような「不平衡係数」が高いのは何故だろうか。寡作であったこと、も一因なのだろうか。あのジャズレコード販売が華やかなりし頃の日本で、隠棲していたトリスターノの音盤を出…

芸術新潮「つげ義春特集」(2014年)原画のグラビア

芸術新潮 2014年 01月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2013/12/25 メディア: 雑誌 この商品を含むブログ (7件) を見る 何年かに一度、慎ましい「つげ義春」ブームがボクのなかにあって、その後、冬眠を何年も続けるような、断続した関心。今も少…

金沢へ

随分長い間、仕事で名古屋にいたのだけど、一旦、金沢に戻る。 なんだか疲れた。

Fabiano Araújo, Arild Andersen, Naná Vasconcelos: Rheomusi (2011) 今朝の音楽

あれから1年か。 ------------------------------------------------------------------------- Fabiano Araújo, Arild Andersen, Naná Vasconcelos: Rheomusi (2011, Ágata Tecnologia Digital)1. Yã 2:522. Hyperborean 7:223. P 6:244. Anacã 7:495. Neg…

名古屋・栄「バナナレコード・ジャズシンジケート」今回はもう一つ

三連休にもかかわらず名古屋で仕事。かなり疲れる。 ちょっと抜け出して、レコードを漁ったが、成果は乏しい。とほほ。 最近教えてもらったジョルジュ・ベンの再発。TBMの笠井紀美子、菊地雅章の曲を歌っている。昔の廉価盤。あとはnonesuchのWSQ、録音期待。

Lalah Hathaway: Live (2015) こってりとしたFender Rhodesが欲しかった

暫し仕事で名古屋。疲れる。そんなときは、こんなの聴いている。 ハザウェイのライヴというと、父親のアレだけど、コレも悪くない。バンドがあっさりしているかなあ。なあ。 ---------------------------------------------------------- Lalah Hathaway: Li…

Caetano Veloso: Estrangeiro (1989) 微毒という猛毒

微毒という猛毒、だと思う。ブラジル音楽の優しげな表情に騙され、惹き込まれると、そこかしこに仕掛けられた罠に嵌められる。微毒だからと安心して、その「少しばかり」のささくれた感触を楽しんでいると、刈り取られてしまう。困った、ものだ。 このアルバ…

夜久弘: 「COMICばく」とつげ義春 (1989, 福武書店) 最後の執筆期間

1984年の夏頃だっただろうか。当時、社会人になったばかりで、電機会社の社員寮に住んでいた頃、近所の社宅の先輩の家でつげ義春の「ねじ式」を読んだ。映画「ツゴイネルワイゼン」を見たときと同じような衝撃だった。未だに映画も「ツゴイネルワイゼン」も…

Maria Bethania (1965) カエターノ・ヴェローゾの妹、だそうで

昨日の買い物。1000円ちょっと。それがマリア・ベターニアの初リーダ作のオリジナル・モノラル盤。オルトフォンSPU-monoを下ろすと、押しの強い声が飛び出してくる。 頭は、かなり不自然はリヴァーブ(機械的な音響処理だね)なのだけど、あとはそうでもない…

またまた湯島の夜:なのないバー

昨日は横浜、八重洲での仕事の後、お茶の水に投宿。お決まりのバーで一服。珍しく(か)、夜半前から混み出し賑やか。つい1時頃まで呑んでしまった。 前の名前のほうが良かったが、店主は気に入っていなかった、らしい。

横浜・関内ディスクユニオン:確かにレコード価格が

今日は仕事で横浜へ。人前で30分の話をした。その前の空き時間に、関内のディスクユニオンへ。 やはりレコード価格は下がっている。嬉しいことだ。パシフィック・ジャズとかアトランティックのオリジナルや、準オリジナルが2000円もしない。驚いた。 ドルフ…

Craig Taborn: Junk Magic (2004) やられた

やられた。今朝届いてから、聴き続けている。間違いなく、このアルバムに辿り着くために買い漁った、のだ。実は先日のたくさんの購入品のなかにはなくて、追加購入の1枚。 エレクトロニクスを多用し、テナーサックスとヴィオラ、ドラムとの変則的な編成。彼…

3月の雪

3月の雪が。犀奥に再び雪が。モノクロームの風景に送電鉄塔が溶け込んでいる。

Andrew Hill: Hommage (1975) もう少しヒルを聴く

もう少しヒルを聴く。買ったままで、聴いていなかった、あるいは聴くための脳内回廊ができていなかったので印象が薄かった、のだ。 同封されたライナー・ノートによると、ヒルのソロ・ピアノ第一作目。キース・ジャレットのソロが喧伝されている時期でのソロ…

つげ義春全集(1993年、筑摩書房)ゐきているつげ義春

はじめて読んだのは1984年頃だったように思う。ねじ式を読んで、くらっときた。脳内記憶では、ツゴイネルワイゼンと同じようなアドレスに刻まれている。当時、網羅的に彼の作品を読むことは難しく、初期の作品は入手難の北冬書房の全集を僅かに入手して読ん…

Andrew Hill: Nefertiti(1976) 何だろう、船酔いのような感覚

現代ジャズと称する、近年のスムーズなピアノ・トリオとは全く逆の指向の音。とにかく「スムーズ」ではない。音が過去に後ずさりしていくようなタイム感があって、見通しの悪さ、も甚だしい。その「奇妙な味」が強烈な個性を、割と静かに訴える。聴いている…

Andrew Hill (1978) 音響空間ということ

昨日のヘンダーソンが存外に響かなかったので、他のBNアルバムを聴いていくと、アンドリュー・ヒルが入っている作の方が断然いいと思った。何だろう。やはり、モンクと同じような「ある種のピアニズム」を、モンクと異なる形で表出させていることにある、と…

Joe Henderson: Mode For Joe (1966) 好きな感じなのだけど

今朝のトニー・ウィリアムスが何か「不完全燃焼」で、1970年代に彼が不適応だったのか、彼の1970年代の音にボクが不適応なのか、よく分からない。でも彼は1960年代のヒトなんだよな、って思いながら、同時期のドラマー、ジョー・チェンバースを思い出した。…

夕景

今日の午後は所用で外出。帰宅し、扉を開けると、部屋の中が黄金色になっていた。久しく夕方に帰宅していないので、驚いた。三寒四温というそうだが、今日は何回目の暖だったのだろうか。春が足早に近づいたり、遠のいたりしている。 レコード盤が綺麗に光っ…

Tony Williams: The Joy Of Flying (1979) 到達点

今になって聴くと、しんどいなあ1979年頃のトニー・ウィリアムス。当時も、1960年代の新星としての名声が殆どで、1970年代のアルバム。楽曲はあまり話題にならなかた、と思う。だから、ハンコックとのVSOPでの存在感が圧倒的で、という状態。 このアルバムも…

Anatol Ugorski: Messiaen/鳥のカタログ(2003) 改めて聴き直す

クルマに乗っていた。iPODクラシックを車内の音響装置につないであって、ランダムに再生させている。今日、メシアンの鳥のカタログがかかった。今、アヴァンギャルドな感じのジャズを聴いているのだけど、気持ちは音響的なものに向いている。ティボーンもそ…

橋本一子、中村善郎のコンサート(streaming音源)

重篤な橋本一子ファンのH松さんに教えてもらった、橋本一子、中村善郎のコンサート(streaming音源): JazzToday - 橋本一子&中村善郎 LIVE 期間限定みたい。良かったですよ。ただの緩いボッサ、ということでもなくて、キラっとピアニズムが光る。