K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

ECM: Manfred Eicher

(ECM1057) Bill Connors:Theme To The Gaurdian (1974) タウナー的音を狙うのだけど

久々にECMのレコードを取り出して聴きはじめた。ECM聴きで触発された感覚のままに、いろいろ聴いて歩くような狩猟採集民、のような彷徨の日々、だと思う。 1974年前半に米国で収録されたものが、ジャズに振り込んだ作品群ならば、1974年に欧州で収録されたも…

(ECM1056)Ralph Towner, Gary Burton: Matchbook (1974) 時間が伸びやかに広がる感覚

針を下ろした瞬間に惹き込まれた。強い力。それは音、ではない。針の先が捉えたスタディオの空気。張り詰めていて、そして静寂。タウナーの作り出す音は、間違いなくECMの音場そのもの。ここ数作、米国録音の米国奏者を聴き続け、違和感が拭えない部分があっ…

(ECM1055) Gary Burton, Steve Swallow: Hotel Hello(1974) 夢想、のようなものを喚起するような

ボクは何処にも行けるし、何処にも行っていない。そんな独白を誘う。ジャケットの強い印象は、音をまた違う心象に連れて行く。 大学の英語の授業で読んだアーサー・ミラーの随想、ニュー・イングランドへの強いノスタルジイを淡い写真とともに。消え去ろうと…

(ECM1054) Richard Beirach: Eon (1974)生真面目な「ジャズの伝道者」とECMのマッチング

バイラークとECMについては、ECMに関する邦著で語られた件で、ある種の意識がついてまわる。が、そこはともかく聴いてみる。 バイラークは決して嫌いなピアノ奏者じゃない、むしろ「とても好きなタイプ」の筈。しかし、ターンテーブルに彼のレコードを置くこ…

(ECM1052) Steve Kuhn: Trance (1974) 直球のジャズのスピード感に溢れている

既に5年前に投稿していた。少し書き足す。 聴き直したが、いいアルバムだ、1970年代のジャズとして。1974年のジャレットやバートンの吹き込みは、欧州の美学と米国の美学の「Fusion」をジャズというプラットフォームに描き出した習作、すなわちECMそのもの…

(ECM1051) The Gary Burton Quintet with Eberhard Weber : Ring (1974) 知っているECMの空気の中へ

1974年の7月後半、西独での録音。 キース、ガルバレクと2枚吹き込んだ後、6月から7月にかけて米国で3枚、そして西独。巷では、ハンコックやマイルスのファンクが唸りを上げていた頃。そんななかで吹き込まれた、このアルバムが缶詰のように保っている空…

(ECM1049) Keith Jarrett /Jan Garbarek: Luminessence (1974) ガルバレクのwith strings

1974年の5月から6月のニューヨーク録音シリーズの前に吹き込まれたアルバム。キースは作曲だけで、ピアノを弾いていないので注意! 喰わず嫌い。どうもキース関連の創作音楽っぽいのは苦手。フォークもどき、クラシックもどきのようで、うーんと首を傾げて…

(ECM2428) Gary Peacock: Now This (2014) 走馬燈、というコトバが

12月に入った。今年の*枚、のような記事が見えはじめると、押し迫った感じに、やはり押しつぶされそうな気分になる。年末は苦手、なのだ。 ボクの場合、あまり沢山の新譜を聴いていないので、今年の*枚、は書けないのだけど、メルドーのソロの圧倒的な迫力…

(ECM1266) Rainer Bruninghaus: Continuum (1983) 電子音の30年後そしてECMの魅力再考

10月に入って、気分が出てきたので、レコード聴き再開。 気まぐれ、だねえ。朝から美味しい珈琲とパンを頂いて、野菜をたっぷり食べたらとても気分がいい。時間に追いかけられる感じ、から解放された。もう、追いかけれえている筈じゃないのだけど。 相変わ…

(ECM2447) Tigran Hamasyan, Yerevan State Chamber Choir: Luys I Luso (2014) 東方教会のこと

音楽的な話の前に、このアルバムで歌われるアルメニアの宗教曲の背景となる中東のキリスト教について。キリスト教はパレスチナの地に生まれ、その後欧州で広く受容された訳だけど、イスラム教に席巻される前の中東地域にも広く流布しており、その名残は今も…

(ECM2381) Jakob Bro: Gefion (2013) 浮遊というジャンル・不安への強いノスタルジイ

最近はとても仕事での出張が多く、金沢に居る時間は友人と逢ったり、外に飛び出したりで、ゆっくりと音楽を聴いていない。その代わりに、移動時間を使って、本は読んでいるのだけど。そうであっても、古いレコードや最近のCDも結構マメに買っているのだけど…

(ECM1298) John Taylor: Azimuth '85 (1985) 透明な音の深さ

ホーチミンから帰ったらハンガリーのレコードsellerからの包みが届いていた。ECM1000,1100番台のレコードを片付け、ECM1200番台が残り数枚。海外sellerに頼みはじめた。ECMのレコード盤は決して稀少ではなく、世の中のどこかに必ずある。価格も高価ではない…

(ECM2445) Keith Jarrett: Barber / Bartok / Jarrett (1984,85) うーん

山だの釣りだの、そんなことを書いているので、そろそろ音楽を、って思っていたけど、気が多くて手が出なかった。 先日、この世を去ったコールマンのディスクを聴いたり、ECMレコード聴きシリーズでキースのIn the Lightの2枚組を聴いたり、焦点が定まらな…

(ECM2450) Keith Jarrett: Creation (2014) 5月3日のまぼろし

昨年の5月3日、ボクは大阪にいた。そして、まぼろしとなってしまった音、をいつまでも追いかけていた。 このアルバムは昨年行われたキース・ジャレットのソロコンサートの記録。その会場のひとつである大阪フェスティバルホールで、心ない客のため、何回か再…

(ECM2377) Sinikka Langeland: The Half-Finished Heaven (2013) 4月のもっきりや

4月9日 金沢・もっきりや「北欧伝統楽器カンテレと歌 「フィン族の森」より= = = 動物たちとの不思議な出会い」

(ECM1239) Denny Zeitlin, Charlie Haden: Time Remembers One Time Once (1981) デュオ好きにとって

デュオ好きにとってヘイデンって格別の人だったのだなあ、と改めて思う。closenenessで十分聴いたつもりになっていたけど、その数は随分あるようだ。だから、まだまだ聴けていない。昨夜はエスクーデとのデュオを聴いて、改めてベースらしい、ずっしりとした…

(ECM2343) 児玉桃: La vallée des cloches (2012) モノトーンという色彩

北陸に移り住んでまもなく4年半になる。とても長い時間のように感じるし、また短い。最初の1年の時間の長さ、は素晴らしいもので、気持の中のギアを2段くらい落としたような感覚を覚えた。遅く、そして力強い。秒針が流れていくのではなく、明確に刻んで…

(ECM2287) Carla Bley: Trios(2013) ボクにとって永遠のオネーサマ

昨日は接客だった。木倉町の「六味一滴」で会食。そのあとボクの大大先輩が興に乗って、片町にある綺麗なオネーサマ達がいる高級店へ。ボクタチ技術者世界も丁稚から務める階級世界そのもの。このトシになっても昨夜は下っ端なので、大大先輩の後ろについて…

(ECM1523) Herbert Henck:Mompou/Musica Callada(1993) 部屋の角で膝を抱えるような気分で

ようやく春の気怠い空気が流れてきた。少しツンとするような冷ややかさと、流体の如くまとわりつく温みのなかに居るような感じ。櫻をみるならば、澄んだ大気のもとがいいのだろうが、ただぼんやりと春の感触を楽しむならば、霧雨に靄っているのも悪くない。…

Jack DeJohnette: Special Edition

Jack DeJohnetteのSpecial Edition。二管のフロントが売り出しの頃で、とても気持よい音色で吹き抜いていく。フォーマットはFree Jazz。だけど、この頃のFree Jazzの音のPositiveなtoneを予定調和のなかに織り込んで、決して奏者の感情に任せていない。DeJoh…

(ECM1048) Paul Motian: Tribute (1974) もっとオーネットが知りたくなってきた

Paul Motian(perc), Carlos Ward(as), Sam Brown, Paul Metzke(g), Charlie Haden(b) Recorded May, 1974 at Generation Sound Studios, New York City

(ECM1047) John Abercrombie: Timeless (1974) 音楽が熱かった時代をEditionする

John Abercrombie(g), Jan Hammer(key), Jack DeJohnette(ds) Recorded June 21, 22, 1974 at Generation Sound Studios, New York

(ECM1046) Dave Liebman: Drum Ode (1974) 時代の音を素晴らしく昇華させた

Dave Liebman(ss, ts, fl), John Abercrombie(g), Richard Beirach(el-p), Gene Perla(b), Bob Moses, Jeff Williams(ds), Badal Roy, Collin Walcott(tabla), Barry Altschul, Steve Sattan, Ray Armando, Patato Valdez(perc), Eleana Steinberg(vo) Recor…

(ECM1045) Terje Rypdal: Whenever I Seem To Be Far Away (1974) 北欧の空気感

Terje Rypdal(g), Mladen Gutesha(cond), Südfunk Symphony Orchestra, Christian Hedrich(viola), Helmut Geiger(vln) Recorded 1974 in Oslo (A1, A2) and Ludwigsburg (B).

(ECM1042) Eberhard Weber: The Colours Of Chloe (1973) 本当にいいアルバムだなあ

Eberhard Weber (b, Cello, Ocarina), Rainer Brüninghaus (p, synth), Peter Giger (ds, perc), Ralf Hübner (ds on A2), Ack Van Rooyen (flh), Südfunk Symphony Orchestra Stuttgart (Strings [Cellos] ) Recorded December 1973 at Tonstudio Bauer, Lu…

(ECM1041) Jan Garbarek: Witchi-Tai-To (1973) 欧州奏者としての独自の音

Jan Garbarek(ss,ts), Bobo Stenson(p), Palle Danielsson(b), Jon Christensen(ds) Recorded November 27 and 28, 1973 at Arne Bendiksen Studio, Oslo

(ECM1040) Gary Burton: Seven Songs For Quartet And Chamber Orchestra (1973) バートンの味

Gary Burton(vib), Michael Goodrick(g), Steve Swallow(b), Ted Seibs(ds) Michael Gibbs(cond, composer), The NDR-Symphony Orchestra Recorded December 1973 in Hamburg

(ECM1039) Dave Liebman: Lookout Farm (1973) ECMを聴いている感じがしない、という意味で不思議な一枚

Dave Liebman(ts,ss,fl), Richard Beirach(p), John Abercrombie(g), Frank Tusa(b), Jeff Williams(ds), Don Alias, Armen Halburian, Steve Sattan(perc), Badal Roy(tabla), Eleana Sternberg (voice) Recorded on October 10 and 11, 1973 at Generation…

(ECM1038) Art Lande, Jan Garbarek: Red Lanta (1973) 静謐を一枚のvinylに封じ込めた、ような印象

Art Lande(p), Jan Garbarek(fl, ss, bass-sax) Recorded on November 19 and 20, 1973 at Arne Bendiksen Studio, Oslo

(ECM1035-37) Keith Jarrett: Solo Concerts Bremen / Lausanne (1973) 1973年のキース

Keith Jarrett (p) Recorded at Lausanne, March 20, 1973 Bremen, July 12, 1973