K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

Nora Sarmoria: Libre de consenso (2005) 透き通った音の匂い

久しぶりにNoraを聴いた。少し古い2005年のもの。天賦の才、というものが確かにあると感じさせ、そんな人固有の印象がある。先入観なく音を聴くと、アルバムの時系列が全くわからない、ということ。どうも外部からの影響が僅少で、スタイルは変われど、その…

昨日届いたLPレコード:Blue Note オリジナルじゃないかなJimmy Smith

おなじみのレーベルなのだけど、Blue Note Inc. Ney York USAがみそ。後年(レーベル売却後は)はLibertyとなる。これはアルフレッド・ライオン時代のBlue Noteということ。

Charles Lloyd : All My Relations (1995) 再びロイドを聴いた頃

ジャズを聴きはじめた頃に仕入れた豆知識のひとつにロリンズの隠遁がある。その間、ブルックリンかどこかの橋の上で吹いてたという、1960年頃(だったかな)の話。復帰後のアルバム「橋」にまつわる話。 ジャズ奏者の隠遁と復帰は、ままある話で、1980年頃の…

Woody Shaw: The iron man (1977) 強固なピアノとベースのうえで

仕事場を引越した。ボクと同じ位の年齢の建屋だったので、耐震強度が足りない。取り壊しになることになって、職場のなかの別の建屋に移った。そんなこともあって、とても疲れた3月になった。古い建屋はそれなりの味わいあって、歪んだ窓硝子が入った鉄サッ…

Duke Pearson: Angel Eyes (1961-62)わりと今時のジャズが好きなのだけど

わりと今時のジャズが好きで、と云っても1979年頃から、そんな感覚で聴いている。だから一貫してアイヒャーのECMなんかはストライクで中心。30年以上、その時々の新しいものが好きだったような気がする。勿論、お勉強的な聴き方をしていた最初の数年間でモダ…

医王山・白兀山:輝く残雪・淡く翳る陽

綺麗な蒼天もいいのだけど、高層雲が流れはじめ、陽が淡く翳りはじめる頃の感じが案外いいと思う。北陸の空はそんな時が多くて(気候が安定していない、ということだけど)、眺めていても飽きない。

九谷青窯を訪ねた:徳永遊心のうつわ・オトナの工場見学

先週末から昔からの友人が訪ねてきている。この数年、1〜2回/年は来て、呑み喰いする。その彼が九谷を買いたいという。ボクは詳しくないので、どうしたものかと思っていたのだけど、ハタと思い出したのは青窯。伝統的な九谷焼ではないのだけど、使いやす…

櫻の不意打ち

日没後、犀川沿いの宿に投宿している旧友に呼ばれ、櫻橋の手前から犀川沿いに下流へ向かった。生暖かい風が吹いている。相変わらず、体調は芳しくないのでけど、まあ酒精抜きならば何とか、ってところか。そんなことを考えながら歩みを早めていたのだけど、…

バナナレコード・岐阜店と栄店:さすがに天罰が

本当はショーターとかジスモンチとか、ハーシュとか気になっているのだけど、東京方面に用事をアレンジする元気が残っていない。blogには楽しいことしか書かないので(あたりまえだけど)、この3月はとても忙しかった。常人の年度末業務は全くないのだけど…

MPB-4: Encontro Marcado - MPB-4 Canta Milton Nascimento (1993) コーラスで聴くミルトン

今回、岐阜に出かけたのだけど、あいも変わらずレコード屋のお世話になった。酒精のほうも大いに楽しみましたが。 手にしたレコードのなかで期待以上に良かったのはMPB4のミルトン曲集。ミルトンの好きな曲ばかりが集められ、コーラスを楽しむことができる。…

岐阜・柳ヶ瀬のあたり:綺麗に動態保存されたあの頃、そして見た夢

仕事で岐阜に来ている。岐阜大は金沢大同様、郊外に隔離された大きなキャンパス。街中キャンパス育ちには、すこぶる居心地が悪い。それはともかく、柳ヶ瀬のアーケード街には驚いた。綺麗に動態保存されたあの頃、昭和が匂いたつ街。夜半まで随分とあるのだ…

暁のころ

寝床のなかでゆっくりと意識が戻ってきた。酒を呑んだあとは、いつもそうだ。もっと寝ていたいのだけど、枕元が茜色になりはじめると、何となくそわそわして眼が覚める。 晴天が続いたので、山並みは茜色に染まった霞の向こう。そんな暁のころ、はっきりと覚…

浅川マキ:ライヴ夜(1978)声の湿度、声の温度

長い間、困惑していた。日本のジャズ(和ジャズって言い方には違和感が強い)を聴いていくと、その終着駅のように浅川マキのアルバムが遠くに見える。そして、伝え聞くその駅の噂は暗く、荒れている。だから、途中下車し、その駅には行かなかった。 それでも…

Herbie Hancockのリーダ作の少し完全に近づいたディスコグラフィーと保有チェック

wikiより引用したHerbie Hancockのリーダ作不完全ディスコグラフィー。漏れても気にならないサウンド・トラックが入っている割には、漏れてほしくないSusoとのデュオが漏れていたり。不完全だけど、最近、LPが気になっているので、そのチェック用リスト。 追…

名古屋・栄「dos」名古屋で寛いだはじめての夜

名古屋には何回も行っているのだけど、宿泊は少ない。その少ない宿泊も仕事で一杯のことが多くて、名古屋の夜は全くと云ってもいいほど知らない。だから、今回の出張が、名古屋で寛いだはじめての夜。 とは云え、猟盤で疲れ果てていたので、呑み歩く、とはい…

名古屋・栄「dos」名古屋で寛いだはじめての夜

名古屋には何回も行っているのだけど、宿泊は少ない。その少ない宿泊も仕事で一杯のことが多くて、名古屋の夜は全くと云ってもいいほど知らない。だから、今回の出張が、名古屋で寛いだはじめての夜。 とは云え、猟盤で疲れ果てていたので、呑み歩く、とはい…

名古屋・栄「Music first」見抜かれた嗜好

今回の名古屋訪問では、SAクンの紹介店、それもお勧め店2店に出かけた。出張の合間なので、あまり時間がなかったしね。二軒目は栄の「Music first」。レコード数は少ないのだけど、ツボには入っていて、よかった。見抜かれた嗜好、だね。 今回の大収穫はハ…

名古屋・大須「Greatest Hits」価格というもの

馬鹿みたいな勢いでLPレコードを買っているが、価格というもの、に対してある種の感情がある。懐にある金額の多寡に関係なく。物品としてのレコードの価値(音楽の価値じゃない)と価格とのバランス、のような。勿論、金を注げば何でも手に入るが、そんなの…

京都・寺町御池「ホットライン」この感じが良し

出張の日々。夜は昔の仕事仲間と食事。その時間の隙間、1時間を利用して中古レコード屋巡り。レコード+CDマップを片手に、まずは1軒め。本当はその後に予定していたジャズ専門店にも行きたかったが、この「ホットライン」、値付けがツボで1時間をここで…

夕暮れを過ごす

出張のため早々に帰宅した。夕焼けが楽しめることが自明だったので、出発を送らせて、その時を待った。寺町台地が影になって、大きな夕陽が勢い良く落ちていった。 南の空には淡い茜色に染まった白山が見えた。山頂からゆっくりと山麓に向かって色彩が降りて…

森茉莉:戀人たちの森(1961)ほか、春の慶事のあと(オヨヨ書林で買った本)

春の山並みが好きだ。30年程前に行った高山から見た飛騨山脈、鬼無里から小谷に抜ける峠からみた白馬、小淵沢あたりから見る八ヶ岳や甲斐駒、春霞の向こうに手が届きそうにないような感じで聳える白嶺。今の住処のあたりも、部屋から見る県境の山並みも好…

記憶のタグの深度(レコードリスト代わりの写真)

LPレコードを精力的(いい言葉だ)に集めている。困っていることが2つある。 一つは収納場所。棚が溢れてしまった。もう一つ買わなきゃいけない。部屋が狭くなる。 二つは記憶力の問題。たまに同じレコードを買う。記憶のタグの深度って、その保存データの…

御茶の水:今回の猟盤

久々の御茶の水。LPレコード買って、仕舞はバーで一杯という毎度のパターン。28アルバムを手持ちで帰ったら、とても重たかったね。購入単価は1000円/アルバムを随分下回っているので、こんな買い方が好きなんだな。ジャズ中心なのだけど、ジョニ・ミッチェル…

雪の夜半すぎ

気がついたら背中から乗り上げるように春が駆け足でやってきた。とても暴力的な勢い。だから冬の記憶を少しだけ留めておきたい。 雪の夜は明るい、ということは知っている。知っている、というより、知っていた、のほうが正しい。福井に住んでいた40年前、母…

改めて古いレコードを聴き直した後

この1週間あまり、1950年代から1970年代までのfankyなジャズを通して聴いていた。間違いなく、このあたりのジャズを良く聴いていた30年くらい前と聴こえ方が違うことに気がついた。享楽のような部分に強く惹かれるようになっている。音楽の快楽性のような部…