K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧

春が突然

一昨日の夕暮れの頃、生暖かい風が吹いていた。3月は心身ともに不調で、とにかく十数年来の課題を片付けるだけで精一杯だった。だから、周りのことはちっとも見えないし、ただ仕事ばかりしていたように思う。山にも行かないし、スキーもしない3月なんて初…

Richie Beirach & George Coleman: Convergence(1990) 何となく陽が当たらない感じだけど

George Colemanって、何となく陽が当たらない感じだけど、どうしてどうして、結構いいと思っている。マイルス時代だって、後任のショーター(正確にはリヴァースなのは、ともかく)が難しいフレーズ連発なのだけど、凄さがよく分からない。楽しくない、感覚…

Meta-Modern jazz ageのなかでジャズを聴く、ということ:柳樂光隆「Jazz The New Chapter」の感想に代えて

昨日の続き、である。 ボクの結論、のようなものは、未だMeta-Modern jazz ageのなかにあるのだけど、それが音楽の語法としてのジャズが広く拡散し、Classical musicと同じような普遍性を獲得した、ということの意義を言葉にできていない、ということではな…

Modern jazz ageは終焉したが、Meta-Modern jazz ageも終焉したのか

「21世紀のジャズ談義」のなかで気がついたことがある。即興に対する考え方の劇的な変化、じゃなかろうか。村井さんの近著のなかや、「Jazz The New Chapter」のなかでの中山さんの話もそうだし、webに上がっていたインタビュー記事なんかもそう。なんかJazz…

Henry Kaiser & Wadada Leo Smith: Yo Miles! (1998) マイルスの玉手箱の標本(サンプラー)

35年前、ボクたちは待っていた。1975年の大阪公演を収録したアガルタ・パンゲア以来、杳として音楽的消息が見えないマイルスを。1973年から1975年のマイルスの過激な音楽、ファンクでありフリーであり、そしてジャズであった激しいリズムの混沌の「その次」…

Gretchen Parlato: Live in NYC (2013) 漂うグルーヴ感

この2年余り、随分とLPレコード、とくに古いモダン・ジャズ最盛期の盤に熱中したものだ。当時の録音盤の質の高さに魅了された。あのジャズの黄金時代の空気が、ほんの少しだけスピーカから漏れだすから。この不思議な「音のオウラ」のようなものを知ってしま…

中川ワニ:ジャズブック(2014、あうん堂本舗)cowry coffeeでのひととき

昨日、cowry coffeeでイベントがあった。珈琲焙煎人の中川ワニ氏の珈琲話とジャズ話。あまりヒトが集まるトコロは苦手なのだけど、あのタンノイで、ジャズを紹介してくれるイヴェントがあるというので、珍しくイソイソと出かけた。前半は珈琲の話。最近はタ…

ECMの保有LPレコード(ブラジル編)

ECM

ジスモンチとヴァスコンセロス 右上はブラジル盤(ジスモンチ)、下は米WB盤(ヴァスコンセロス) ふふ、手に入った

ECMの保有LPレコード(打楽器編)

ECM

まずはドラム ジャック・デジョネットとポウル・モチアン 3/22追加 つぎはヴィブラホン ゲイリー・バートン 左下は米polydor盤

ECMの保有LPレコード(管楽器編)

ECM

まずはサックス マリオン・ブラウン、ヤン・ガルバレク、ロビン・ケニヤッタ、チャールズ・ロイド、サム・リヴァース、ジョージ・アダムス、ジョン・サーマン 左下(ジョージ・アダムス)のみ米WB盤 つぎはトランペット ケニー・ホイラー、レスター・ボウイ…

ECMの保有LPレコード(ピアノ編ー1)

ECM

マル・ウォルドロン、ポウル・ブレイ、スタンリー・カウエル、スティーブ・キューン、アート・ランデ、デニー・ザイトリン 右中(キューン)は米WB チック・コリア チック。コリアとリッチー・バイラーク 3/22追加 チックのクジャラとのデュオは日本盤。CDの…

ECMの保有LPレコード(ピアノ編ー2)キース・ジャレット

ECM

ソロ カルテット トリオ クラシック(的?)なもの、変なもの 3/21 追加 まだ聴いていない

ECMの保有LPレコード(その他編)、JAPO編

ECM

つぎはその他。現代音楽とかグループとか。 ライヒ、シャンカール、AEC、ギャラリー 右下のギャラリーは米WB盤 3/21追加 ライヒは被った! あとメルディス・モンクが2枚(西独)、ペルト(日本盤だけど入手できて嬉しい) つぎはJAPO盤(姉妹レーベル) ダラ…

ECMの保有LPレコード(ギター編)

ECM

最近、ECMのLPレコードを集めている。保有品を記憶に頼る状態ではなくなってきた。すみません、出先での補助記憶が必要になったので、写真をひたすらアップ。 基本的には西独盤と米盤をアップ。日本盤は載せないことにした。また米WB盤はやや強い音だけど、…

Sebanstian Zanetto: La Lengua Del Mundo (2014) 透き通った原色の世界

いつだったかディスク・ユニオンの店頭で捕まえた音。一時、カルロス・アギューレからはじまり、暫しアルゼンチンの音楽に魅了された時期がある。温帯のラテン音楽は音の温度が高くなく、水や空気が清澄であり、なおかつその温度が人肌よりやや冷たいような…

Arvo Pärt : Alina (1999) 古い列車に乗って

雨の3月は寂しい。雪が降り始めたときの賑やかさ、のような印象と対照的だ。ただ傘から流れ落ちる雨滴を眺めながら、ゆっくりと濡れていく鞄や足元をやるせなく見つめている。路面の水と車輪との間の舐めるような不快な音を聴きながらバスを待っていた。 晴…

TANNOY Arden Mk-IIでECMを聴く(その2)聴いたレコード達

ECMレコードのキャッチフレーズは、The most beautiful sound next to silence。かなり本気で、それを信じている部分はある。軽く残響のある音が美しく響く。北欧の低い温度感の音を楽しむことができる。彩度はとても抑制されているのだけど、音が感情の奥底…

TANNOY Arden Mk-IIでECMを聴く(その1)音響機器

最近知り合いになったK君、の自宅にはTANNOY Arden Mk-IIという古いスピーカがあって、その音を聴いた時、木造家屋の広い部屋のアコウスティックな環境もあって、もう少しいい音で聴きたい、と思った。それもECMのレコードを。このスピーカはクラシック用な…

(ECM1197) Meredith Monk: Dolmen Music(1981) 疑似古代に向かう意識の変容

忙しいので、少し、更新は滞るのだけど、相変わらず、音は聴いている。 これは最近知り合いになった若いK君に教えてもらったアルバム。録音の深み・奥行きのようなものがあって、早速、LPレコードを入手した。やはり、すばらしい艶のある声を楽しむことがで…

Kurt Rosenwinkel : The Remedy (2006) 仕事場のジャズ

さすがに仕事場でレコードを聴くことができるようにはしていない(当たり前か)。自室のディジタルデータをコピーして、iTuneで小型のアクティブ・スピーカを鳴らしている。存外によい音で、仕事場の環境としては最高。気分に合うと本当に何回も聴いているよ…

冬が戻ってきた朝

今年は冬を感じることが少なくて、寂しい思いをしていた。 そんな残念な感じを飛ばすように、見る間に冬へ逆戻りした昨夜。 窓の外は僅かに氷点下。すっかり凍りついていた。ただ、厳冬期の雲の厚さはなく、淡い雲が続いたり、切れたり。 存外に明るい、だか…

Henry Kaiser : Marrying For Money (1986) Improvisationという快楽装置

Improvised musicというFree jazzの亜種(メタFreeというか)があった。ミシャ・メンゲルベルクとハン・ベニンクのICP、ディレク・ベイリーやエヴァン・パカーのIncus、ペーター・ブレッツマンのFMP、ヘイリー・カイザーのとか。日本だと近藤等則とか、か。 …

Louis Stewart: Milesian Source (1978) 1970年代の香しさが存分に詰まった円盤

先日、新宿のディスク・ユニオンで手にしたLouis Stewartのアルバムに魅了されてしまった。 という訳で、早速、オークションで1970年代のアルバムを入手。Pyeレコードって、英国時代のマクラフリンの「前衛的なアルバム」(ジョン・サーマンとやってるヤツ)…

(ECM2343) 児玉桃: La vallée des cloches (2012) モノトーンという色彩

北陸に移り住んでまもなく4年半になる。とても長い時間のように感じるし、また短い。最初の1年の時間の長さ、は素晴らしいもので、気持の中のギアを2段くらい落としたような感覚を覚えた。遅く、そして力強い。秒針が流れていくのではなく、明確に刻んで…

村井康司:ジャズの明日へ―コンテンポラリー・ジャズの歴史(2000、河出書房新社)ジャズの歴史問題

歴史が何故重要か。歴史は物語であり、それを編んだ「時点」での意識(対象が政治であれば政治意識)を体現したものである。だから古事記は日本が歴史時代に突入した時点での政治意識を著した古代史・神代史であることは自明だし、隣国との歴史問題は、「過…

所在のないような曖昧な夜明け

このところ、所在のないような曖昧な夜明け、を迎える。酷くはないのだけど、ぼんやりと、この心象の行く末が気になっている。何だろう。 今年は冬を味わう間もなかったような気がする。金沢に来た頃だっただろうか。一晩中、雪が降っていた。窓越しに雪が降…

ECMの保有LPレコード(ベース編)

ECM

引き続きベース編 エバーハルト・ヴェーバー、デイヴ・ホランド、ゲイリー・ピーコック エバーハルト・ヴェーバーの右上コーナーが米WB盤 アリルド・アンデルセン、チャーリー・ヘイデン、マーク・ジョンソン 左中(ヘイデン)が米WB盤 パーレ・フィリップ、…

Keith Jarrett: Book of Ways (1986) フォークロアのようなバロックのような味わい

最近、入手したLPレコード。キース・ジャレットの場合、沢山の楽器を奏でるのだけど、ピアノ以外の楽器が入ったアルバムは「ゲテモノ」的な感覚があって、手が出なかった。恐ろしく非ジャズ的なカオスが畳み掛けられるのだから違和感が強い。今でも、そう思…

Brad Mehldau, Mark Guiliana: 「Mehliana: Taming The Dragon」(2014) パルスの快感

パット・メセニーのKinと同じ時期に、LP/CDのセットを衝動注文している。だから、ブツはまだ届いてなくて、1週間前にメイルで届いた「ダウンロードOK」を見落としていた体たらく。今朝、気がついてMP3をダウンロードした。不思議なもので、Kinで感じたMP3で…

João Gilberto: Brasil

そんな今朝は、先週、東京で買ったLPレコード。米盤(ワーナーブラザーズ)だったので、なんとなく過剰プロデュースなんじゃないかなあ、と思ったけど、まあいいや、の一枚。聴いてみると、ジルベルトの声の良さ、その雰囲気を壊さぬ軽い歌伴がつくような感…