K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

高柳昌行: Second Concept (1979) カチッと、奔放に

TBMでのCool Jojoにかなり惹き込まれていて、高柳昌行を随分聴いている。ただし、ノイズ系はまだ辛い。彼がsecond conceptと呼ぶ、トリスターノ・コニッツに範を得た楽曲が好み。カチッと切れ上がるような鋭いリズム、アクセントの強い演奏に快感を感じる。 …

中本農園のとうもろこし:夏の幕開け

近所のスーパー・マーケットに中本農園のとうもろこし、が並んでいた。例年より、幾ばくか早いのではないか。辰巳農園の枝豆とともに、金沢の夏の食べ物。 毎年、食べ飽きがなく、モノがなくなるまで食べ続ける。盛夏の頃に、なくなる。 もう何年、そんなこ…

(ECM 1072) Gary Burton: Dreams So Real - Music Of Carla Bley (1975) 今の音、昔の音

今の音、昔の音が入り乱れたアルバム。全体的にはその後のパット・メセニー・グループやバートン自身のアルバムの音の比率が高い。1960年代を引きずるジャズ・ロック的は味は、大分減ってきた。彼らがすすめていたジャズ・ロックを今聴くと、ちょっと耐えら…

中原中也をめぐる本:長谷川泰子「ゆきてかへらぬ」,永井叔「大空詩人」

永井叔 青空は限りなく(1972) 大空詩人(1970) 長谷川泰子 ゆきてかへらぬ(1974) 永井叔の若い時分の写真は男前なのだが,長い漂泊生活が作り出した面白い人物の様子が表紙からも伝わる.本の内容もとてもヘンな感じなのである.比べると長谷川泰子は普…

Gil Evans, Jaco Pastorious: Live Under the Sky Tokyo '84 (1984): 20年前なら驚喜しただろうが

20年前なら驚喜しただろうが 、案外、そんなもんかいな、って受け止めている。かなり賞味期限が過ぎているように思えるのだ。 それでも、今朝、ディスクユニオンのtwitterで発売を知り、驚いたのは事実。 渋谷ジャズ/レアグルーヴ館 on Twitter: "ブログ更…

橋本一子, 中村善郎: duo (2016) 日本の軽音楽

少し古い言葉だけど、日本の軽音楽そのもので、洗練された到達点なんだろうな、と思う。橋本一子さんのピアノ、ヴォイスともに魅惑的であることは30年昔と何ら変わらず、いや、ますますsmoothになっていくことに驚きを隠せない。それにしても、共演の中村善…

ポーランドの山下洋輔トリオ@1977:欧州の演奏レベル

昔から気になっていたレコードを入手。なくてもいいが、あってもいい、まあ価格次第、というブツ。 ポーランドのmuzaが出しているポーランドのジャズ・フェスティバルJazz Jamboree のライヴ。そのなかに山下洋輔の録音が混じっている。当時は東側だったから…

岐阜・バナナレコード:TBMが何枚か

バナナレコードは好みの店。価格も手ごろだし、多くはないが珍しい盤も混じる。多くの「普通のレコード」のなかに混じるそんなレコードの配合比率が絶妙、と思う。少なければ面白くないし、多ければ概して平均単価は高い。 今回はTBMのレコードに眼がいった…

高柳昌行: Cool Jojo (1979) レコードを聴いてみると

前回の記事では、 CDで聴いているのだけど、音圧は十分。レコードで聴きたい、とは「あまり」思わなかった(「全く」ではない)。 と記載したが、出物があったので、手が出た。TBMのレコードはそれだけ魅力的な録音なのだ。 留守の間に届いていたので、深夜…

金沢では雨が降ったようだから

出張に出ている間、金沢でも雨が降ったようだから、渓流が気になった。明け方から眼が冴えて、眠れなかったので、出勤前の短時間、出かけてみた。夏至の頃だから出来ることだ。 本当に久しぶりに水量がそれなりにある。とは云え、例年の通常水量よりは少ない…

高柳昌行: flower girl - a collection of cion tomita’s musical works (1968) CDを購入したが

昨日、CDが届いたが、音質はさほどapple musicと変わらない。演奏がとても気に入っているので、より良い音で楽しみたいと思ったのだけど。 また、そのような音質なので、自宅の音響装置よりも、仕事場の装置(昔のBose)のほうがむしろ楽しめる。無駄骨、の…

先週末に届いていたCD/LPレコード

金沢に帰ったらポストのなかには不在時の配達票。仕方がないので深夜の郵便局まで。郵便はそのように受け取れるし、ヤマトのセンターは近所なので受け取りは容易。サガワはセンターは遠いし、やや配達に難があるので、受け取りに苦労する。 届いていたのは高…

岐阜の夜

今週は岐阜から浜松、豊橋と休みなく働く。やれやれ。 岐阜の良さ、は掌の上の街、だと思う。そんな大きくない街の人通りが少ない路地のそちこちに灯が点る、その感じ、がとても金沢に似ていて、心地よいのだ。 そんな訳で、金曜日は岐阜に泊まって、知り合…

岐阜・問屋町

仕事で岐阜駅前へ。北陸と同じように、この街も、かつては繊維産業の集積地であったようだ。駅前が問屋町という名前の巨大なアーケイド。多くはシャッターが閉まっており、昼なお暗い。 そして幾ばくかの店は開いていて、やけに白っぽい蛍光灯の光が漏れてい…

Derek Bailey: Mirakle (1999) ファンクなベイリー

] ベイリーに興味を持つようになるなかで、このアルバムの存在を知った。凄い、のは、かつて(30年以上前)熱心に聴いた、ウルマーのリズム隊であるタクマとウェストン*1が、ベイリーと演っているのだ。水と油、のように感じるのだけど。 アルバムを入手して…

トラックバックについて

etc

Hatenaに移ってから気がついたのは、ブックマーク機能がないこと。過去にブックマーク頂いた方々には申し訳ないことになった。 ただし、gooでの記事は削除予定がないので、相互にブックマークさせて頂いた記事は残る。 ECMなどクロニカル的に取り組んでいる…

長良川の鵜飼い

出張先の学会で素晴らしい懇親会のアレンジがあった。 ベタの観光「鵜飼い」。幹事から相談があったとき、勿論賛成したのだけど、個人的には観光モードは苦手。そんなことで、期待感ゼロで出かけたが、思わぬ素晴らしい体験になった。 何がいいか? ・納涼感…

エチオピアの修道尼ピアニストTsegue-Maryam Guebrouが弾くピアノ曲

吉本さんのtweetで紹介されたエチオピアの修道尼ピアニストTsegué-Maryam Guèbrou(エチオピアの社会主義政権時代に、エルサレムのエチオピア正教会に移ったみたいだけど)。appleの宣伝のBGMに使われているようで、素朴な旋律がちょっと気になった。 エチオ…

富樫雅彦: Contrast (1982) ジャズ・ドラマーという根

これはライヴ録音で、ピーター・コヴァルト(b)、ロウレン・ニュートン(voice)の三人による即興的な演奏。 昨日と同じく80年代はじめのキング・レコードだけど、あまり録音の良さは感じない。ライヴだからか。 ボクは近藤等則との共演で聴いたピーター・コ…

Caetano Veloso & Gilberto Gil: Two Friends, one century of music (2015) 冷戦期の南米

昨日、近所のS君夫婦が久しぶりにやってきて、Napaで買ったのスパークリングを呑みながら、DVDをみた。 それは素晴らしいDVDで、カエターノ・ヴェローソとジルベルト・ジルのデュオ。ギターを手にした二人のステージ。70代になった二人、とは思えないくらい…

富樫雅彦:Spiritual Moments (1981)録音の良さ、演奏の良さ、と裏腹に

昨日書いたが、アナログ末期のレコードの良さ、には堪らないものがある。針を下ろすと、音空間が眼前に現れ、第一音がはじまるまでの微かなトレース音にどきどきする。そして、強い音圧、鮮やかな色彩感、そして奏者との近い距離、を堪能できる録音が多い。…

レコード終末期の音

レコードとCDの販売枚数が交叉したのは1986〜87年頃だったか。ボクがCDの再生機を購入したのは1989年頃。当時の再生環境は良くなかったので、CDでの安定した、そしてスクラッチ雑音のない音に関心したものだ。 再びレコードに関心が向いたのは、再びいろいろ…

レコード終末期の音

レコードとCDの販売枚数が交叉したのは1986〜87年頃だったか。ボクがCDの再生機を購入したのは1989年頃。当時の再生環境は良くなかったので、CDでの安定した、そしてスクラッチ雑音のない音に関心したものだ。 再びレコードに関心が向いたのは、再びいろいろ…

レコード終末期の音

レコードとCDの販売枚数が交叉したのは1986〜87年頃だったか。ボクがCDの再生機を購入したのは1989年頃。当時の再生環境は良くなかったので、CDでの安定した、そしてスクラッチ雑音のない音に関心したものだ。 再びレコードに関心が向いたのは、再びいろいろ…

Murray Allen & Carrington Power Trio : Perfection (2016) とても楽しめるアルバム

とても楽しめるアルバム。 デヴィッド・マレイはジャック・デジョネットのSpecial Editionで惹き込まれて、随分とレコードを買った時期がある。1980年代の真ん中あたりまで。だんだんと代わり映えしないアルバムに関心が引いた、ように思う。最近もモツポツ…

廣木光一, 渋谷毅: So quiet (1998) ゆったりと聴く

バンコクから帰ったら、届いていたCD。 高柳昌行のCool jojoのことを書くときに、ネットを見ていたら、同名の店のことを知った。店内には、高柳さんの蔵書もあるそうだ。そこでのライヴの告知で、渋谷さんと廣木さんのデュオを知った。 聴く前から、渋谷さん…

Derek Bailey: Duo & Trio Improvisation (1978) 音のことについて

帰国して、早速聴いた。やはり、空間的な音の造作が素晴らしくて、聴き惚れてしまった。 人の意識の分解能に近い、速度でのベイリーの音の変化、そして楽器のボディを含めた共鳴音のようなものが空間を広げる。 実はこのセッションはCDでも出ていて、収録セ…

バンコク最終日

今日は帰国の日。とにかく、のんびりすることにした。 朝は雨期とは思えぬほど、晴れ渡った。しかし、夕刻が近づくと、暗雲が空を覆ったり、雨が降ったり、晴れたりと、目まぐるしく変わっていく。 翳っていても、雨が降ると、大気の透明度が上がり、晴れ渡…

雨季とは思えぬ日々

雨季とは思えぬ朝を迎えた。昨夕は、スコールに見舞われたが、まだ仕事で会食中で難を逃れた。 運がいい、とタイの人たちもいう。 なかなか凄い雨だったが、眺める分にはいい。 夜半前には、ホテルの近所のバーで、イサーン出の従業員と他愛のない話をして過…

大食いの夜(Hock Shark Fins)

(夕暮れの仕事先のビル) 昼間は冷房が効きすぎた部屋で仕事。楽しみは夜。最近は、バンコクに来ると、一回はフカヒレ。仕事先でのレセプションでは、食事はまかなえない、と判断し予約。タニアの先にあるHock Shark Fins。いつものことながら、緩い予約。 …