K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

Old And New Dreams (1976) 息子レッドマンは何がstill何だろうか

レッドマンの息子の方が、新譜Still dreamingを出した。Still dreamingは、親父のほうのOld And New Dreams での夢が、Stillということ、だそうだ。 STILL DREAMING アーティスト: JOSHUA REDMAN 出版社/メーカー: NONES 発売日: 2018/05/25 メディア: CD こ…

Jack Wilkins: Windows (1973) 清新な風のような雰囲気を運んでくる

toshiya氏のブログで今朝、その存在を知って、小躍り。 ジャック・ウィルキンスって、小粒だけど清新な感じのギターが1970年代に光った奏者。その後も少し聴いたが、印象はとても薄い。 このアルバムでは、コリアのウィンドウズから。もう音が見えてくる感じ…

Rhye: Blood (2018) 今日もこんなの

今日も仕事仕事。レコードを聴く時間がない。 spotifyでこんなのタレ流し。気持ち良い。 気がつくと、このBloodは終わっていて過去盤を勝手にかけてくれる。それは嬉しいのだけど、実に代わり映えしないことに気がついた。まあ、この手の音はそれでもいいの…

長町に向かって

夕暮れ時に長町のほうへ歩いた。そんな時間に街中を歩くなんて久しぶりだ。 黄昏れている。武家屋敷なんかより、ただの裏路地から受ける不連続な時代感の変化、が楽しい。

Moses Sumney: Aromanticism (2017) 忙しいからこんなの聴いている

ちょっと忙し過ぎて、気持ちが飽和している。そんなときは音がすっと入ってこないから、こんなの聴いている。低い音で聴いていると実に優しい。空間的な音が漂い、蠱惑的。Bandcampで長くwishリストに入れていたが、ようやくダウンロードした。 Aromanticism…

水面に映る木々の色濃さを眺めて

多事に追われる日々。ふっと沢に入ってみる。水面に映る木々の色濃さを眺めていると、何もかも意識から消えていく。空腹も忘れ、何時間居たのだろうか。

Chick Corea: The Complete "IS" Sessions (1969) カスクーナによる編集盤を聴け、か?

初期のチック・コリアは、マイケル・カスクーナによる編集盤を聴け、ということだろうか。気がつくと、そんな感じ。Song of singingを再聴したときから、気になって初期のアルバムを聴いている。 マイケル・カスクーナによる編集盤は、本アルバムを含め以下…

高瀬アキ, 井野信義: 天衣無縫 (1986) 音で遊ぶ空間

久々に聴いた。何となく1980年代に聴いたレコードが懐かしい。このアルバムは高瀬アキと井野信義のデュオ。まさに天衣無縫に好きな音を紡いでいる。声を出したいときは声を出し、いろいろな楽器を鳴らしたりもしている。そこには音で遊ぶ空間が広がっていて…

Bennie Wallace: Live At The Public Theater (1978) あの「奇妙な味」を狙って

この奏者はジャズの聴きはじめの頃に脚光を浴びた人。今聴いても、確かにいい。ウネウネとした感じが、ちょっとモンクなんかの奇妙な快感に通じるところがある。決して、フリージャズということはないのだけど、音の細かな、かつ図太い振幅に惹き込まれる。…

Duke Ellington: Money Jungle(1962) アヴァンギャルドな空気に満ちて

United Artists(UA)のアルバムは録音が良くない、と思っていた。40年前のキングレコードの再発盤を聴いて、その籠もったような音質に苛立った。同じ再発盤でもBlue Note, Riverside, Prestigeとは随分違うものだ、と思っていた・ それが間違いだと気がついた…

清水靖晃: Dementos(1988) インチキな「ワールドミュージック」

先日アップした南アフリカの音楽は、ボクが内心求めているようなエキゾティズムを廃し、ふっと横に流れているような音楽。そんな南アフリカの音と対極的な存在で、ボクの内心のなかにしかないインチキな「ワールドミュージック」。それは夢の中の音であり、…

5月の青い空

何年も暮らしているなかで気がついたのは、北陸では5月から6月中旬くらいまでが、実に素晴らしい日々が続く、ということ。陰鬱な冬も、これでチャラなのだ。 自転車通勤で犀川を渡り、天を仰ぐ。少し控えめな光が差し込む。柔らかな風が抜けていく。あと何…

Circle: Circle-2 Gathering (1971) フリーに最接近したチック・コリア(の最後のアルバム)

チック・コリアを数日にわたり聴く、なんて30年ぶり、じゃなかろうか?自分のなかで、急速に光彩を失った奏者だけに、聴き直すのは30年前(いや40年近く前だ)の自分への旅、のようなものだ。 しかし当時はサークルは苦手で、そんなに聴いていなかった。とい…

渓流の木陰から空を見上げていると

GWといってもカレンダー通り。その最終日から出勤を続けていて、さすがに疲れてきた。給与こそ勤め人として頂戴しているが、仕事を命じる上司がいる訳でもなく、いわゆる裁量労働として自己管理で実施。仕事を増やしすぎたのだ。 さすがに気持ちが萎えてきた…

Mabuta: Welcome to this world (2018) 不思議な「ワールド・ミュージック」

久々の新譜。以前アップしたSiya Makuzeniと同じく南アフリカのバンド。Bandcampで販売している。 Siya Makuzeniのアルバムは冒頭、アフリカっぽい感じを出しているが、このアルバムには「作られたアフリカ」のような部分はない。1980年頃のフュージョンを素…

Circle: Circle-1 Live In German Concert (1970) 消えてしまった音源、扱いだけど

何となく1970-1971年チック・コリアシリーズ。 これ、RTFと同時期にリリースされた日本の企画盤。その後、CDで軽く再発されてから消えたようだし、ECMのパリもストリーミングにあがっていない。またブルーノート音源もCD化されていない。何となく消えてしま…

Chick Corea in 1970-1971 トリオからサークルの時期

数日前、チック・コリアのThe sunを聴いて、サークルとの関係性について思いつきを書いたが、収録時期をみてみると、違うことが分かった。コリアはブレイとともに初期ECMの重要なpieceなのでメモ。 印象は印象なので訂正はしないが、1971年と思っていたコリ…

Kahil El' Zabar/Ethnic Heritage Ensemble: Mama's House Live (2009) シカゴの音をもっと聴きたくなった

ボクがエルザバールを知ったのは1982年頃。大学を卒業する少し前の頃。副島氏のメルスの記事か何か読んで気になったバンドの一つがEthnic Heritage Ensemble。入手したメルスでの録音盤も好みだった。 それから幾星霜、突然、フリー系の音楽を聴くようになっ…

Chick Corea: The Sun (1970) A面はグロスマン、B面はサークルへの習作

もう少し「あの頃の」チック・コリア。 商業的には1970年代の第二期RTFが全盛だったらしい。セントラルパークで一杯、だったそうだ。1970年代末には、今ではタウンホール一杯くらいだけど、なんて記事があった。それでも、その頃隆盛だった日本のジャズフェ…

John Coltrane: Coltranology Volume One (1961) ドルフィーのフルートの飛翔感というか、浮遊感

典型的な安レコードだけど、実に良い。日本盤固有の柔らかさ、もさほどなく、正規録音でない音の悪さであるが、臨場感、と言い換えができる程度。なかなかの迫力なのだ。何よりも、コルトレーンとドルフィーが同じくらいの比重で吹いていて、味の違いがよく…

Chick Corea: The Song Of Singing (1970) 彼が頂点の頃

1960年代後半のコリアは清新な風を吹き込むような、そんな爽やかさがとても魅力だと思う。BN4000番代のダークな音像の世界に光を射し込むような。 その魅力の集大成のようなアルバムが間違いなく彼の代表作Now he sings.....じゃないかな。商業的な成功作で…

George Cables: Why Not (1975) そこから薫り立つ匂い

当時、ケイブルスは最晩年のアート・ペッパーと演奏していて、来日もよくしていたと思う。巧くホーンを引き立てる名脇役、の印象がある。ペッパーの遺作はケイブルスとのデュオだし。燻し銀なんて紋切りのコトバは使いたくないが、まさにそう。ペッパーがケ…

Anthony Davis: Lady Of The Mirrors (1980) 端正な音のIndia Navigation盤

長い間、アンソニー・デイヴィスの名前を忘れていた。1990年代以降、ほとんどアルバムを出していないように思う。1980年前後のピアニストを聴いていて、思い出した。チコ・フリーマンとの共演盤は聴いている筈だが、記憶がない。 レコードを入手して聴いてみ…

初夏の風のなかで

つい数日前、日暮れの後に10℃以下となって寒さに震えていたのに、今日の日中は20℃を越えている。土曜で休みだけど、出勤前に沢に入った。緑が濃く、川面に反映されていた。初夏の風が気持ちよい。 かなりの距離を歩いた。入渓点近辺で20cmから31cmの3本。気…

最近の入着品(ベイリー、アンソニー・デイヴィス、板倉克行ほか)

過労気味なので、今日は寝ます。ポストがレコードとCDで詰まっていた。 ディレク・ベイリーと田中珉のレコード。特異な空間音に満ちている。アンソニー・デイヴィスのindia navigation盤。あと関根敏行のCDはCAFE INCUSで聴いたSTOP OVERが良かったから追加…

Muhal Richard Abrams: Sightsong (1976) 美しさと強靱さ

今朝、モントルーでのソロを聴いた後はこのアルバム。マラカイ・フェイヴァースとのデュオ。 このレコードだけが、ほぼリアルタイムに入手したもので、エイブラムスの最初の1枚。幸せな出合だ。実に美しい音であるし、また上品な美しさのなかでジャズらしい…

Muhal Richard Abrams: Spiral (1978) 美しいピアノの音

ここ数日、1980年あたりを中心にみた、あの辺りのピアノ奏者、を拾い上げて聴いている。 フリーマンとの共演で光ったルイズ、サンダースとの共演で光ったヒックスの1980年代中盤のレコードを聴いてみたが、ピンとこなかった。音は流れるが、一音一音の力が薄…

Don Pullen: Solo Piano Album(1975) 汽水域の音、の美味しさ

1970-80年代のジャズピアノばかりを聴いている。今朝はドン・ピューレン。1980年頃、ジョージ・アダムスとの双頭バンドがまさに旬で、Timeless盤はよく聴いたなあ。ダニー・リッチモンドとかジョージ・アダムスとか、ミンガス・バンド絡みの奏者達って、フリ…

Bob Neloms: Pretty Music (1982) 麗しいジャズの薫り

こないだ聴いヒュー・ローソンのレコードと同じ匂い、1980年頃の空気に溢れている。当時、ロフト・ジャズからIndia Navigationあたりの音を聴いて、少し難しいなあと思ったのが不思議な程、ジャズの王道だなあと感じる。その後、王道にはなっていないのだけ…

Miles Davis: The Final Tour/ Copenhagen, March 24, 1960: 未だレコードの魅力は色褪せていない

1960年のマイルスクインテット欧州ツアーのレコードが届いた。 もともとboot紛いの音源がレコード時代からあり、やや食傷気味の演奏ではある。しかし、何よりも音がとても良い。力強い管の音のみならず、ケリーのピアノがあんなに煌めく瞬間があるとは思わな…