K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Classic

Gidon Kremer: Bach: 3 Sonatas & 3 Partitas for Solo Violin, BWV 1001 - 1006 (1980) 音のこと

(前の記事の続き) プリ・アンプが気になったのは、名古屋栄のハイファイ堂で、このアルバム(日本盤)を聴いた時。レコード販売コーナーの一角にあった大きな音響装置からの音は、ヴァイオリンの周辺の音場までも再現していて、空気がピリピリしていた。あ…

Kronos Quartet: Music of Bill Evans (1985) 虚空に手向けられた花のような

ビル・エヴァンスの楽歴の初期、Riversideのアルバムをプロデュースしたオリン・キープニューズがエヴァンスに捧げたもの。演奏はライヒとかグラスなどの現代曲の演奏で知られるクロノス・カルテット。弦楽で聴くエヴァンスのピアノ曲が並べられている。ゴメ…

Abdel Rahman El Bacha: Ravel曲集(2007) 秋の風に吹かれたから

バンコクで涼しい夏を堪能してきた。帰国後の残暑を考えると、うんざりしていたのだけど、どうしたことか。小松に降り立ったとき、強い日差しと裏腹に、吹く風のひんやりとした感触に驚いてしまった。しっかり秋が近づいている。 秋の風に吹かれたから、とい…

Vladimir Horowitz: 25th Anniversary of his American Debut (1953) 音の暴力

久しぶりに聴いた。2年振りくらいかな。最近は古いジャズが多くなっているので、クラシックを聴くことが少ない。旅行中はiPODに音源を詰めて、宿ではアクティブ・スピーカ、移動中はヘッドフォンで聴いている。ヘッドフォンで聴く音って慣れていないのだけ…

Gerhard Oppitz: Japanese Piano Works(2011) 静謐な春を過ごす

ボクのなかで春は、温い大気のなかで泳ぐ桜花を眺めることからはじまった。南からの風が吹き込む頃、一気に花が咲く。いつも柏尾川沿いの変電所に咲く桜が一番。3月の第三週の頃。桜が咲く頃は夜も肌に纏わりつくような暖気だけが記憶に残っている。そうい…

Pierre-Laurent Aimard:Liszt Project (2012) 無音が放つ音

硝子玉を落とした。音もなく吸い込まれたように消えていった。その消えいく様、その軌跡が音のようだと思った。無音が放つ音。そんな儚い記憶のような音を聴いた。 数日前、出勤途上、クルマのラジオを鳴らしていたらリストの交響曲が流れた。題名は忘れた。…

Pierre-Laurent Aimard: Debussy Preludes Book I,II(2012)この美しさを語るコトバはないのだけど

新春早々、非ジャズアルバムの紹介となるのだけど。実際、ジャズを中心に随分といろいろな音楽を聴いている気がする。毛糸玉の端っこを持って、旋回させているような感じ。次第に回転半径が広がって、聴いているオトもどんどん広がっている。特にLPレコード…

Claudio Arrau: Debussy集/Suite Bergamasque他(1991) アラレやミゾレが降り出す候になって

驚いた。新譜じゃないのだけど、今年手にしたCDのなかで抜きん出た1枚ではなかろうか。圧倒的な音の存在感、美しいという言葉では語り尽くせない美しさ。内的な官能性がとても高く、気持ちの奥底から揺さぶられ、音が終わった後、自らの周囲がまったくの空…

Keith Jarrett: Shostakovitch/24 Preludes & Fugues op. 87(1991) 不意打ちをくらったように

気軽に聞き始めたのだけど、想定以上に好みに合う。

Stafano Bollani & Riccardo Chailly:Sounds of the 30's(2012)ボラーニのクラシック

ジャズ・ピアニストのなかで、ボラーニは頂点に立つ技巧者だと思うときがある。ECMだの、Label Bleuだの、かのヴィーナスだの、レーベルの色に合わせてカチンと水準を遥かに超える録音を残しているのだから。

Glenn Gould: Hindemith/The 3 Piano Sonatas(1966-73) カナダに来てグールドを聴かない理由を考えてみた

海外に出ると、仕事の時を除くと独りでいる時が長い。そんな時間がとても好きで、街を見たり、部屋でのんびりしたりしている。

Leonidas Kavakos: Maurice Ravel,George Enescu(2002) ただ無表情・無感情に

ギリシャのヴァイオリン奏者が弾くラヴェルの曲そしてルーマニアのエネスクの曲は民族音楽的でもあり、そして沈黙をもって饒舌に美を語るような瞬間が何度もある。

(ECM1523) Herbert Henck:Mompou/Musica Callada(1993) 部屋の角で膝を抱えるような気分で

ようやく春の気怠い空気が流れてきた。少しツンとするような冷ややかさと、流体の如くまとわりつく温みのなかに居るような感じ。櫻をみるならば、澄んだ大気のもとがいいのだろうが、ただぼんやりと春の感触を楽しむならば、霧雨に靄っているのも悪くない。…

Yvonne Loriod: Messiaen/Quatuor pour la Fin du Temps(1990) 造ること壊すこと

メシアンの曲は宗教的な表題が多く、そのオトが造り出す世界は思念のなかで、かなり高い位置に浮かび上がっているような感覚を与える。

Alexander Melnikov: Scriabine (2006) 透き通るスクリャービンってね

少し前にショスタコーヴィチの「前奏曲とフーガ」の素晴らしい演奏で取り上げたメルニコフが気になった。少し眺めてみるとスクリャービンの盤を見つけたので注文した。

Robert Aitken:武満徹/そして、それが風であることを知った 他 (2001)  まだ見ぬ夢の残滓

先日、NMLでふと聴いて気に入ったアルバムが、この室内楽集。フルートや打楽器やハープ。編成を斜め読みすると、ちょっと面倒な感じで手にしないのだけど、ネットのうえだから気軽に聴いてみる。むしろ器楽曲に近い、やはり静寂を音にしたような世界に魅了さ…

高橋アキ:Aki Takahashi plays Takemitsu (2001)

ノヴェンバー・ステップを最初に聴いてから武満徹の曲に全く関心が持てなかった。つい最近になってからピアノ曲を知り、時としてとても気分に合うようになった。

Oliver Knussen: 武満徹/Quotation of Dream London Sinfonietta(1999)ボクのKrystal Nacht

ボクがなぜが覚えてるのはKrystal Nachtというコトバ。水晶の夜。決して美しいコトバではなくて、ナチによるユダヤ人商店の一斉排撃の結果、割れた窓硝子が水晶のように煌めいたから。 そのような歴史事実とは別に、Crystalよるも硬質な語感に魅惑されて記憶…

Alexander Melnikov: Shostakovich/Preludes and Fugus

そんな静かな雪の日曜に聴いてみたくなったのは、アレクサンドル・メルニコフが弾くショスタコーヴィッチの24の前奏曲とフーガ。

Valery Afanassiev: Homages & Ecstasies (1996) 音の隙間から匂ひを流すような

聴いてみると、期待に違わず、良い感じの違和感にすっかり痺れてしまった。主に、超絶技巧の流麗なピアノを聴くことからはじめているのだけど、この方は違う。音の隙間から匂ひを流すような、不思議な味があるのだ。だからECMの音盤の惹句「沈黙の次に美しい…

Olli Mustonen: Prokofiev/Visions Fugitives(束の間の幻影)

実にいろいろなことがあった。

Peter Serkin:武満徹ピアノ作品集

武満徹のオトはノヴェンバー・ステップを聴いて興味をなくしていたのだけど、最近紹介いただいたピアノ曲が案外良くかった。

Fazil Say & Patricia Kopatchinskaja

このアルバムはイスタンブールで買ってきたもの。トルコといえば、唯一人知っている音楽家はサイだから。といっても、昨年、金沢公演を聴くまで知らなかったので、なんとも底の浅い話なのだけど。

田部京子:吉松隆/プレイアデス舞曲集

タイトル通り、すばる:プレイアデス星団が冠された曲集。柔らかい音を聴いていると、時間とか空間を遡っていき、なんとも不思議な感情の中まで下りていくような感覚だった。そして、透明な大気の中で、かすかな音を立てている星そのものを聴いているのだ。

Fazal Say: Black Earth

イキがって、ハノイ・バンコク・金沢・イスタンブールと云ってみても、疲れを感じてしまっている。夕食にケバブを食べた後、繁華街を歩いてみたのだけど(CD屋でコーランを買った)、早い時間から全てのことに満腹感を感じてしまった。 そんなことで、海峡の…

Pascal Roge: Satie曲集 眼下の光景から少し離れて(イスタンブールにて)

そんな時間をぼんやり過ごしながら聴いているのはロジェのサティ集。

久々のお茶の水ディスクユニオン・クラシック館での買い物

昨日はジャズをアップしたので、今日はクラシックをアップ。久々のお茶の水だったので気分昂進。買い過ぎた。

Pierre-Laurent Aimard: Hommage a Messiaen (2008) 金澤に帰ってきて聴いた音

エマールの「メシアンへのオマージュ」。クラシックとかジャズとか、ジャンルを超えた音楽を聴く悦びをボクに与えてくれる。

Dmitri Shostakovich:自作・自演集(EMI盤) とても美しいショスタコーヴィッチのピアノの音に..

家に籠もって聴いていたのはシスタコーヴィッチの自作・自演集。このあいだディスクユニオンお茶の水で買ったもの。ピアニストでもあるショスタコーヴィッ チが協奏曲・独奏曲を弾いている。以前に入手したのはロシアのオーケストラとの録音でロシア盤だった…

Freddy Kempf Plays Balakirev, Ravel & Mussorgsky (2008) NAXOSのライブラリを聴いてみたら

ライブラリを検索して、聴いてみてよかった一枚がFreddy Kempfのアルバム。ボクがほとんど聴かないドイツのピアニストなのだけど、技巧派であれども柔らかい音で心地よい。